除菌の問題点を改善!LG21で除菌成功率が飛躍的に向上

ヨーグルト

除菌1ヵ月辺り前からLG21を摂取すると、除菌成功率が向上するとされています

ピロリ菌に対する除菌療法は現在、一次・二次除菌療法が保険適応とされており、一次療法では、胃薬のプロトンポンプ阻害薬に抗菌薬のアモキシシリンとクラリスロマイシンを加えた3剤。一時療法で除菌できなかった場合は、クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更した3剤で二次除菌を行います。

問題点は、耐性菌により一次除菌の除菌率が低下してきていることです。近年クラリスロマイシン耐性型のピロリ菌が増加しており、全国平均では約40%が耐性菌になっているようです。小児科、呼吸器科、耳鼻咽喉科領域を中心にクラリスロマイシンが高頻度に使用されているため、耐性菌が増加していると考えられています。2000年には一次除菌の除菌率が90%程度でしたが、近年では除菌率が70%程度まで低下しているという報告もあります。

これに対して、東海大学医学部・高木敦司教授の研究グループは、一次除菌に乳酸菌Lactobacillus gasseri OLL2716(ガセリ菌LG21)を含むヨーグルトを併用することでクラリスロマイシン耐性ピロリ菌の除菌率が飛躍的に向上するとの研究成果を、2009年6月世界で最も権威ある米国消化器学病週間(DDW)で発表し、優秀研究として表彰されました。

研究結果では、抗菌薬による一次除菌治療のみと、一次除菌とLG21乳酸菌ヨーグルトの併用療法をピロリ菌患者229人を2つのグループに分けて実地したところ、抗菌薬のみでは69.3%の除菌率であったのに対して、併用療法では82.6%まで上昇を認めたということです。

この研究では、LG21乳酸菌入りヨーグルト112gを1日2個、4週間(除菌前の3週間+除菌中の1週間)摂取しています。除菌率を上げるには、1ヵ月前辺りから摂取すると除菌の成功率が上がるでしょう。

また、ピロリ菌除菌の際に多く見られる副作用は下痢ですが、ヨーグルトで腸内細菌を整えると下痢も起こりにくくなるとされています。

LG21とはピロリ菌活性を抑える乳酸菌

LG21といっても耳慣れない方も多いと思いますので、この乳酸菌についてご説明しましょう。

1990年代後半、抗ピロリ菌薬の開発に取り組んでいた東海大学医学部の高木敦司教授(当時消化器内科助教授)は、同じ大学の感染症学・古賀泰裕教授との共同研究を立ち上げました。新薬開発に必須のピロリ菌感染動物モデルの確立は難航しましたが、実験動物(スナネズミ)の胃内に乳酸菌が常在しており、この乳酸菌がピロリ菌感染を阻害していることに注目しました。

研究している医師

研究は困難を極めましたが、LG21にたどり着きました

古賀教授らは、200種以上の乳酸菌から様々な条件下でスクリーニングを重ね、ラクトバシラス属のLactobacillus gasseri OLL2716菌(ガセリ菌LG21)株が、抗ピロリ菌活性、耐胃酸性、胃内停滞性、安全性に優れた特性を持つことを特定しました。ラクトバシラス属は野外から容易に分離される乳酸菌の一種で、ヨーグルトの製造に古くから用いられてきた菌です。

試験管内試験、動物実験、ヒト試験で、この菌を一定期間継続投与することにより、ピロリ菌数の低下、ピロリ菌による胃粘膜の炎症改善効果が、国内外の学会で報告されています。試験管内の試験では、ピロリ菌のクラリスロマイシン耐性の抑制をする効果も認められています。

いろいろな方面で期待されるプロバイオティクス

プロバイオティクスとは、「口腔から肛門にいたる広義の消化管に定住する常在細菌群に働きかけて、あるいは単独で、生体に有益な効果をもたらす生きた細菌」のことです。現在は、おもにLG21などの乳酸桿菌とビフィズス菌がプロバイオティクスとして利用されています。

プロバイオティクス機能を持つ微生物を摂取すると、それが消化管内(口腔内や腸内)のフローラ(細菌叢)に作用し、フローラの健常化をはかりながら、疾病の予防や改善を行います。プロバイオティクスは従来、腸内の作用が主とされてきましたが、LG21は胃内のピロリ菌に優位に作用するプロバイオティクスとして注目されているのです。

また、最近では、プロバイオティクス不足などによりフローラのバランスが崩れることで、「潰瘍性大腸炎」や「過敏性腸症候群」などの腸の病気が発症するとも考えられており、研究が盛んに行われています。慶応大学病院などでも、腸内細菌を移植して改善させる臨床研究が開始されています。フローラを健常化し、疾病の予防や改善を行うためには、LG21乳酸菌などのプロバイオティクスを毎日の食習慣に取り入れるのも有用といえるでしょう。


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