巨大ヒーローや怪獣など特撮の貴重な資料が一堂に
名古屋市科学館で「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」が開幕しました(開催期間:2014年11月1日~2015年1月12日)。2012年に東京都現代美術館で開催され、その後、愛媛県美術館、新潟県立近代美術館を巡回してきた話題の企画展が、ついに名古屋上陸です!昭和30年代から平成にかけての怪獣映画やヒーロー物などに使われた貴重な資料の数々をお蔵出しするこの企画展。昭和30年代の映画ポスター、原画、メカゴジラの着ぐるみスーツ、ウルトラシリーズの飛行機のミニチュア、ウルトラマンなどヒーロー物のマスク、特撮美術倉庫のスペースではゴジラの頭の骸骨、キングギドラのスーツなどなど。「怪獣大戦争」「ゴジラ」「日本沈没」「ウルトラマン」「電人ザボーガー」「ガメラ」などメジャーからマイナーまで多士済々の作品タイトルを並べただけでもワクワクします。
ミニチュアセットの中で気分は怪獣!
中でも大きな目玉が特撮スタジオを再現したミニチュアセット。倒壊する東京タワーを中心に瓦礫の山と化した都心部が1/20~1/100のスケールで作り込まれています。セットの中に入って写真を撮れば、自分が巨大な怪獣かヒーローになったような気分を味わえるのです。このセット、じっくり見れば見るほど面白さが膨らんできます。注意深く見ていくと、同じセットの中にありながらビルの縮尺が異なります。一番手前のビルの10階の高さ、奥のビルの10階の高さを比較するとその違いがよく分かります。より遠近感が出るように奥へ行くほどスケールが小さくなっているのです。
もうひとつは開催地ならではの隠れキャラ。名古屋では中京テレビが主催に名を連ねているので、同局のマスコットなどがあちこちに配置されています。一体何体隠れているのか探して回ると、ミニチュアの精巧さにもより注目できます。
オリジナル映画はメイキングとともに必見!
さらに絶対に見逃せないのがオリジナル短編特撮映画「巨神兵東京に現る」、そしてそのメイキング映像です。企画は『新世紀エヴァンゲリオン』の監督として知られ、この博物館の館長も務める庵野秀明、監督は平成ガメラシリーズの特技監督、樋口真嗣。『風の谷のナウシカ』に登場する巨神兵が東京の街を焼きつくす、迫力のスペクタクルがミニチュアセットを舞台にくり広げられます。続けて放映されるメイキングを見ると、庵野・樋口コンビをはじめとするスタッフのこの映画、さらには博物館に込めた思いがひしひしと伝わってきます。CG全盛の今、ミニチュア模型を駆使した特撮は衰退の一途。自分たちが憧れ、自分たちを育ててくれたこの日本独自の技術を何とか残せないものか。そしてその未来を子供たちに託したい。そんな映像マンらの熱い気持ちが先の短編の映像に注ぎ込まれていたことが分かります。
この2つの短編映画を大スクリーンのシアターで2本続けて観られるのは名古屋が初めて。迫力ある映像を求めて、わざわざ名古屋まで訪れるリピーターもいるそうです。上映時間は2作合わせて約28分。1日中リピート上映されるのでいつでも鑑賞できます。
スムーズに鑑賞するためには事前に入場券購入を
過去3回の開催地はすべて美術館でしたが、今回初めて科学館で開かれるというのも特色。普段の科学館の来館者は小学生までが中心なのですが、この企画展は20代以上の若者や、ウルトラマン世代の大人も数多く足を運んでいます。また美術展ならではの作り込んだ展示は、いつも科学館に来ている小学生たちにとっても新鮮。幅広い層の興味を集めることになっているようです。最後にスムーズに鑑賞するためのアドバイスを。まず行列ができるのが入り口の入場券売り場。休日は9時20分の販売開始からお昼頃まで行列が途絶えないほど。しかし、実はこの入場券はコンビニで購入できるので、あらかじめ買っておけばすぐに入館できるのです。
また、来館者の年齢層が高い分、14~15時が意外と込み合うそう。事前に入場券を購入し、朝イチで来館するのが得策です。
□ 名古屋市科学館
・所在地:名古屋市中区栄2-17-1
・アクセス:地下鉄伏見駅より徒歩5分
・TEL052・201・4486
・開館:9時30分~17時(入館は16時まで)
・休館日:月曜(祝日の場合開館、翌平日休)、第3金曜(祝日の場合開館、第4金曜休)、年末年始(12月29日~1月3日)
・料金:大人1400円、高・大生900円、小中学生500円(※「特撮博物館」+プラネタリウムを除く名古屋市科学館全館)
・Yahoo地図情報
※「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」特設ページ