黒田バズーカ砲第二弾
10月31日に日経平均株価が、755円高の1万6413円76銭とアベノミクス相場以後の高値を更新しました。日本銀行が想定外の大幅な追加緩和を発表したからです。その破壊力から、黒田バズーカ砲とも言われています。この黒田バズーカ砲は第二弾です。第一弾は昨年2013年4月4日に発表した異次元の金融緩和です。今後の相場を占う上で参考になるのが、黒田バズーカ砲第一弾の2013年4月4日以降の日経平均株価の推移です。
図1が4月4日から3か月間の日経平均株価の日足チャートです。前回では、金融緩和が発表された4月4日からバーナンキFRB議長が量的金融緩和の終了を示唆して株式市場が暴落したいわゆる「バーナンキ・ショック」までの1ヶ月半で、日経平均は約4000円上昇しました。
また、図2のようにドル円は同期間に約10円円安に振れています。
当然、前回と今回とでは状況も異なり、全く同じ展開にはならないと思います。しかし、参考にはなります。また、この追加緩和によって、消費税増税の引き上げへの援護射撃になったことは間違いないでしょう。
前回の例、消費税引き上げ決定のタイミングを考慮すると、消費税引き上げの判断があるとされる12月10日ごろまでは、日経平均株価は下がりにくいことになります。当然、これだけの急騰の後なので、反落局面はあると思いますが、この上昇トレンドが否定されるほどの下げにはならないと考えます。
それでは、黒田日銀バズーカ砲で、どんな銘柄が上がるのでしょうか?やはり参考になるのは、前回の第一弾のあとの株価の動きです。また、日銀のETF(上場投信)の買い入れ額が現在の年間1兆円から3兆円に増額されています。また、新たに買い入れ対象となったのがJPX日経400インデックスに連動するETFです。
ということは、今後JPX日経400インデックスの構成銘柄が注目される可能性が高いということです。そこで今回は、現在のJPX日経400インデックスの構成銘柄で、2013年4月4日に日銀が「量的・質的金融緩和を決定した翌日4月5日の始値から「1週間後(4月12日)」、また「日経平均が高値を付けた5月22日」までの、1週間後の騰落率が高かったベスト20が、表1です。参考に「バーナンキ・ショック」の大暴落の前日の5月22日までの騰落率も掲載しています。
広義の金融株、不動産株、建設株といった金融緩和で上昇しやすいとされる業種が中心です。また、金融緩和の結果、想定された外為相場の円安を先読みし、輸出株も買われています。
この20銘柄の中から、相場の福の神こと藤本が、黒田バズーカ砲第2弾で上がりそうな銘柄として3銘柄選んでご紹介いたしましょう。
リコーリース<8566>(東証1部)
リコーリース<8566>は、東京都江東区東雲に本社があるリコー系列のリース会社です。リコーリースは、日本経済を支える中小企業にリースをはじめビジネスローンや集金代行サービスなど多種多様なフィナンシャルサービスを、国内一円を網羅する拠点から全国均一に提供しています。同社の顧客の約98%が従業員数300名以下の「中小企業」です。■株式データ
株価3075円
単元株数 100株
予想PER(連)9.61倍
実績PBR(連) 0.73倍
予想配当利回り 1.46%
時価総額 約961億円
テンプホールディングス<2181>(東証1部)
テンプホールディングス<2181>は、東京都渋谷区代々木に本社がある人材業界第二位の会社です。傘下に、テンプスタッフやインテリジェンスを保有しています。人材派遣、人材紹介を中心に、“人”と“仕事”に関するソリューションを提供しています。主な事業は、「派遣」「BPO」「ITO」「エンジニアリング」「メディア」「キャリア」「NED」の7つに分類されます。■株式データ
株価3550円
単元株数 100株
予想PER(連)21.22倍
実績PBR(連) 2.98倍
予想配当利回り 0.79%
時価総額 約2610億円
ヒューリック<3003>(東証1部)
ヒューリック<3003>は、東京都中央区日本橋大伝馬町に本社がある不動産会社です。旧富士銀行の銀行店舗ビル管理からスタートして、都区内の駅近接の優良物件を多数保有しています。2014年度より「駅と未来に近いビル。」という新しいコーポレートスローガンを発表しています。好立地に強固な事業基盤を有する強みを持つ同社は市場動向に左右されず、東京証券取引所市場第一部に上場以降も毎期業績を伸ばし増収増益増配を継続しています。■株式データ
株価1206円
単元株数 100株
予想PER(連)39.93倍
実績PBR(連) 3.76倍
予想配当利回り 0.62%
時価総額 約7190億円
*株式データは、2014年10月31日終値データ
*本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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