BRUSSELS BEER PROJECT
2013年にベルギーの首都ブリュッセルでブラッセルズ ビアプロジェクト(BRUSSELS BEER PROJECT)は立ち上がりました。このプロジェクトの目的は、ベルギービールの巧みさと、新しいクラフトビールの流れの両方に感化された、型にとらわれないビールを、消費者とともに造りだすこと。元々ビールマニアであり、ホームブリュワーでもあったセバスチャン氏とオリビエ氏の二人は、生化学や醸造学(Biochemistry & Zymurgy)を学びプロジェクトを立ち上げました。彼らはインダストリアルなビールを嫌い、クリエイティブでクラフトなブリュワーでありたいと熱く語ります。原材料は全て公開し、伝統的なレシピにとらわれずチャレンジを続ける、全く新しいタイプの醸造家プロジェクトです。
ファンが選ぶ
ブラッセルズ ビアプロジェクトは1年で4種類のプロトタイプ(試作品)ビールを醸造します。ブリュッセル各所でテイスティングイベントを開催、1年目の2013年は800人、2年目の今年は1000人以上が参加しました。もちろん参加したのはビールに精通したブリュッセルっ子達ばかり。参加者投票によってNO1ビールを選出し、見事No1に輝いたビールだけが、正式に醸造され販売されるという、ファン参加型のユニークなプロジェクトです。Grosse bertha : PROTO No.03 2014
2014年は小麦をテーマにした4種類のビールが出品されました。選ばれたのはグロスバルサ(Grosse bertha)、醸造スタイルはヘフェバイツェンHefeweizen。独語でヘフェは酵母、バイツェンは小麦、無濾過の小麦ビールという伝統的醸造方です。名前のグロスバルサとは第一次大戦で、ドイツ軍がベルギー南部の古都リエージュの侵攻に用いた移動式砲台の名前。ベルギー人風のシニカルな考え方をすると、「攻め込まれて占領されたが、自分たちなりに融合した」といったところでしょうか。たくましくて、少し斜に構えているベルギー人らしいネーミングだと思います。ビールの色は少し赤みの入ったハチミツ色、ゆっくり注ぐとクリアで品の良い小麦の甘さを感じます。無濾過らしく小麦の成分が瓶底に沈殿します。瓶底の一滴まで注ぎきって、小麦のコクを味わってください。通常のベルジャンホワイトとは違ってスパイス無使用なので、小麦の甘味も一味違って感じますよ。
次頁ではグロスバルサにぴったりな料理を紹介します。