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いまの日本代表に必要なのは「球際に強い」選手(2ページ目)

11月14日、18日に行われるテストマッチへ向けて、日本代表のハビエル・アギーレ監督が選手の視察を重ねている。来年1月に控えるアジアカップに向けて、メキシコ人指揮官の構想はどの程度固まっているのだろうか。メンバー選考のポイントを探る。

戸塚 啓

執筆者:戸塚 啓

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攻撃センスのある選手は守備もうまい

攻撃の局面で球際に強い選手は、日本にもいる。宇佐美貴史(22歳、ガンバ大阪)だ。

ドリブルで局面を打開することができ、決定的なラストパスが出せて、自らゴールを狙うシュート力を持つ。ボールを持った彼は、様々な場面で「球際の強さ」を発揮している。

しかし、9月と10月のテストマッチで、アギーレ監督は宇佐美を招集していない。所属クラブでの好調ぶりが、メキシコ人指揮官には届いていないのだ。

ディフェンスの局面で戦うイメージが、宇佐美は薄いからかもしれない。彼と同じようにドリブル突破に優れる武藤嘉紀(22歳、FC東京)は、守備の局面でもハードワークしている。

とはいえ、攻撃センスに長けたアタッカーは、守備のセンスも備えていることが多い。W杯の優勝メンバーが揃うドイツのバイエルン・ミュンヘンで、宇佐美は2012年にプレーした。翌シーズンは同じドイツのホッフェンハイムにも在籍している。ディフェンスの重要性は肌で感じてきた。先天的なセンスも問われる攻撃とは異なり、守備は身に付けることができる。アギーレ監督が宇佐美の守備力を気にかけているのなら、なおさら招集したほうがいい。


細身でも球際に強い内田

11月のテストマッチで招集が噂される内田篤人(26歳、シャルケ/ドイツ)も、球際で頑張れる選手だ。すらりとした身体からは力強さを感じにくいが、彼は1対1の攻防における原則を忠実に実行できる。身体のぶつけ合いだけでなく、相手の心理を読んだ攻防で優位に立てるのだ。駆け引きができるのである。それもまた、球際に強いということである。

パワーとスピードに溢れた選手が多いドイツ・ブンデスリーガで、移籍1年目から定位置をつかんできた実績は眩しい。ブラジルW杯後に代表引退を示唆した内田を、それでも招集したいとアギーレ監督が考えるのも納得できる。

アギーレ監督が言う「世界で戦える選手」とは、これまでのところ「フィジカルコンタクトに怯まない」とか「競り合いに強く激しく挑む」プレーとして理解されている。メンタルとフィジカルで相手に負けないのは、もちろん大切な要素だろう。しかし、身体の線が細くてもシュートをブロックさせないストライカーは、球際に強い選手と言うことができる。

11月のテストマッチに向けて、アギーレ監督は誰を招集するのか。「球際に強い」選手のリストアップを期待している。
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