リフォーム費用/リフォーム予算・相場とその読み方

リフォームの目的別 予算相場のつかみ方とその注意点(2ページ目)

ひとくちにリフォームと言っても、実はその工事の目的によっては、施工事例に掲載されている工事費用をそのまま参考にできない場合もあります。今回はリフォームの目的や種類によって異なってくる相場感と注意しておきたいポイントについてご紹介します。

大野 光政

執筆者:大野 光政

リフォームにかかるお金ガイド

その3)性能の維持・向上

システムキッチン

システムキッチンを入れ替えるだけの工事であれば、予算把握はしやすいと言えます。住宅設備のグレードや費用をしっかりとチェックしておきましょう。

建物や設備の劣化や使用上の不具合(使い勝手の悪さ)に対して、現在と同等以上の設備・建材を設置して、住まいの性能を維持する、あるいは向上させるという作業・工事のことで、現在「リフォーム」と言われているものの多くは、これらを目的としたものです。

例としては、古くなったキッチンを使いやすいシステムキッチンに入れ替える、防犯カメラ付きのインターホンを設置する、二重サッシを取り付けて、比較的手軽に断熱性をアップさせる、などといったものがあります。

この工事で大きく費用を左右するのは材料費、すなわち設備・建材品の価格です。グレードや性能の高い材料を使用すれば、当然全体の工事費も高くなり、材料費を抑えれば、性能のアップ幅も小さくなり、工事費も安くなります。これら工事も他の施工事例から費用の相場観をつかみやすいと言えるでしょう。

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その4)リノベーション

「リノベーション」とは、新しい機能を付け加えたり、性能を向上させたりして、建物の価値を高めるリフォームを意味します。例えば、間取りを変更して、建物を使いやすくしたり、全面リフォームをして建物の耐久性を延ばすと同時に居住性を高めたりするようなランクアップリフォームが、この「リノベーション」に属します。

この「リノベーション」では、単純に住宅設備や建材を入れ替えるというのと大きく異なり、居住者の動線(人の通る経路)や居住性を考慮するため、建物ごと、施主ごとの設計が非常に重要となります。そのため、他のリフォーム事例に掲載されている費用については参考資料程度にとどめるべきであり、オーダーメイドのリフォームであると認識しておきましょう。

(※注)最近ではリフォーム済みの中古住宅・中古マンションを「リノベーション物件(リノベ物件)」などと表記することもありますが、従来の住宅設備を入れ替えただけで、間取りの変更や住宅性能のアップを伴わないものもありますので、「リノベーション」という言葉だけでその建物やリフォームを評価するのは控えましょう。

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目的が明確であればリフォームの見通しは明るい!

今回は「リフォームの目的」についてご紹介いたしました。目的によっては他のリフォーム事例に掲載されている費用が参考になったり、ならなかったりするのです。

もちろん費用が参考にならないからと言って、他の事例を見てはダメということではありません。他の方のリフォームに対する考え方や捉え方、打ち合わせのポイントなどを参考にして、自分がリフォームする時に気をつけておくことや、相談しておくことなどをピックアップして、我が家のリフォームの目的を明確にした上で、リフォーム業者との打ち合わせに望みたいものです。

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