大人4人が快適に移動できる広さ
居住性に少し触れると、前席は適度にタイトで見晴らしはいいが、車両前方直下はまったく目視できない。座面の前部と後部で別々に上下できるシートリフター、チルト&テレスコピックの可動域ともに不足はなく、幅広い体型に対応するはず。身長171cmの私がシートリフターで座面を一番下に下げると頭上には拳2つ弱くらいの余裕が残る。後席も大人2人掛けなら十分な広さで、私がドラポジを決めた後ろには膝前に拳3つ近く、頭上には1つ強のクリアランスが残る。
床面から座面までの高さも十分で、前方視界もまずまずだし、座面の前後長も長めに確保されている。
子どもや小柄な人にはシートが高く、シート自体も大きすぎるかもしれないが、171cmの私には背もたれの角度も含めて快適に感じた。
背もたれの天地高は、ドイツ勢と比べると若干短めに感じたが、私の身長ならちょうど肩まで身体をゆだねることができる。
6:4分割可倒式の後席を倒すと拡大できる荷室は、驚くほど広大ではないが、電動リクライニング&電動格納機能が備わっていると、荷室もしくは運転席側のスイッチを押すだけでリクライニングもしくは格納できるのが便利。
ボディサイズを考えると奥行きも妥当で、とくにワイドな作りは使い勝手も良さそう。SUVなのでフロア高が高めで大きな荷物の積載は苦労しそうだが、電動格納が可能なスイッチは片手がふさがっていても楽に荷室を拡大できる
内・外装のデザインに関しては、個人により好き嫌いが分かれそう。外装に負けずにかなり力を入れてデザインされている感のある内装は最近のレクサスらしいが、個人的には少し「肩に力が入り過ぎ」のような気がしたし、最新のタッチパッド式リモートタッチもライバルの最新インターフェイスと比べると「凝り過ぎ」で、誰もが即操作できる直感操作とはほど遠い。
作り手は百も承知なはずだが、新しいインターフェイスには熟成が欠かせず、タッチパッド式リモートタッチも例に漏れない、という印象を受けた。
細部に課題は感じさせるが、全方位ほぼ隙のない渾身作に仕上がっているレクサスNX。上質な走りっぷりや装備面を考えると、前評判どおりの完成度で、「高い!」と見る向きも確かにあるがそれだけの満足感は十分に得られるはずだ。