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本田圭佑の覚醒を地元紙ベテラン記者が解説!

本田圭佑が絶好調だ。ここまでリーグ戦全7試合に先発出場し、得点ランキング首位タイの6ゴールをマークしているのだ。覚醒の理由を探る。

戸塚 啓

執筆者:戸塚 啓

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ロシアとイタリアは別世界

本田圭佑、覚醒の理由を探る。

本田圭佑、覚醒の理由を探る。

イタリア・セリエAの名門ACミランで、本田圭佑が輝きを放っている。2014-15シーズンは開幕からポジションをつかみ、ここまで行われたリーグ戦全7試合にスタメン出場し、6ゴールを記録しているのだ。アルゼンチン代表歴を持つカルロス・テベス(ユベントス)、スペイン人アタッカーのホセ・カジェホン(ナポリ)と並んで、得点ランキング首位に立っている。

好調の要因はどこにあるのか。イタリアの全国紙『コリエーレ・デレ・セラ』紙で、30年以上にわたってACミランを取材しているアルベルト・コスタ氏に聞いた。

「ホンダは今年の1月にミランへ移籍してきた。シーズン途中に加入した選手は、試合をしながらコンビネーションを構築したり、チーム戦術を理解しなければならない。困難が多いのだが、当時のミランはチーム状態が悪く、監督も代わった。ミランへ来る前の本田はロシアのCSKA(チェスカ)モスクワでプレーしていて、日本では同じヨーロッパと思われるかもしれないが、ロシアとイタリアはあらゆる意味で別世界だ。いきなり活躍するのは難しかっただろう

”ミランの背番号10”への要求は厳しい

欧州のクラブナンバー1を決めるチャンピオンズリーグで、ACミランはレアル・マドリード(スペイン)に次ぐ7度の優勝を誇る。日本で開催されてきたクラブW杯でも、1989年、90年、2007年と3度の優勝を飾っている。

世界的な知名度を持つイタリア屈指の名門で、本田は背番号10のユニフォームを託された。オランダ代表ルート・フリット、旧ユーゴスラビア代表デヤン・サビチェビッチ、クロアチア代表ズボニミール・ボバン、ポルトガル代表ルイ・コスタら、世界的なスーパースターが受け継いできた番号である。メディアとファンの要求は、ひときわ厳しい。評価基準がそもそも高いのだ

コスタ氏が続ける。
「私がボバンにインタビューをしたとき、彼は『本当に重要な選手しか着けることのできない番号なので、とても大きな責任を感じた』と話していた。ACミランの背番号10は、それぐらい特別なものなんだ」

チーム内でのコミュニケーションにも苦慮していた。「ミランのほかの選手に聞いたところによると」と前置きをしたうえで、コスタ氏は話す。

「最初のうちはイタリア語をあまり喋れないし、知っている選手もほとんどいないから、ひとりで居ることが多かったらしいね」

チームの戦術やチームメイトの特徴を理解する時間的余裕がなく、イタリア語でコミュニケーションを取るのが難しかった。そのうえ、誰よりもプレッシャーの大きい背番号10を背負い、チームは過去10年で最低の8位でシーズンを終えた──そうした要因が複合的に絡み合い、昨シーズンの本田は周囲を納得させることができなかった。

しかし、今シーズンは違う。コスタ氏の表情も明るくなる。

「ブラジルW杯のあとにバカンスを過ごし、シーズン前からチームで練習ができた。状況ははっきりと好転したね。インザーギ監督は、つねに彼を使いたいと思っているし。これまでは英語でやりとりしていたみたいだけど、選手同士ではイタリア語を少しずつ話しているそうで、それはすごく大事なことだ。そうそう、本田はクリスマスまでにイタリア語で記者会見をするって、僕ら地元メディアに約束をしてくれているんだ

>>好調の本田、しかし気になることも……
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