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“ジャガーらしい”Fタイプにクーぺ登場

ブランド復活のシンボリックな存在、“ジャガーらしい”という表現がこの50年間で最も似合うスポーツカー・Fタイプクーぺが登場。乗ってみたいと思わせる、乗って楽しいと感じられる、その走りとは……。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

ジャガーブランド復活のシンボリックな存在のFタイプクーペ

ジャガーFタイプRクーぺ

コンバーチブルに続き、2013年のLAショーと東京モーターショーでワールドプレビューを飾ったFタイプクーぺ。3リッタースーパーチャージャーを積むベーシックモデル(823万円)とS(1029万円)、5リッタースーパーチャージャーのR(1286万円 写真)を用意

典型的なFRスポーツカールックスの2シータークーペ&オープン。多くの人にとって、ジャガーEタイプは間違いなく、魅力的なスポーツカーに映っているはずだ。

特に、クーペのリアからの眺めなどは、どうだ。

それは、ジャガーという老舗ブランドが、昔日のブランドイメージ=アフォーダブルなスポーツカーメーカー、を取り戻すきっかけになったことを意味している。そう、たとえば、スポーツカースタイルのお手本ともいうべき、Eタイプの全盛期のように、である。
ジャガーEタイプ

スポーツカースタイルのお手本ともいうべき、ジャガーEタイプ。1961年に登場した

その昔のジャガーといえば、ベントレーやアストンマーティンという貴族趣味に偏ったスポーツブランドの魅力を民主化したことに功績があった。そういう意味では、ポルシェとその志を同じくしていたと言っていい。

けれども時が経つにつれて、ジャガーのイメージは、レザーとウッドに代表される、いかにもイギリス趣味的な高級車寄りへと変質してしまった。ツーリングカーやスポーツプロトタイプなど、モータースポーツ活動に積極的だった時期もあったにもかかわらずだ。

本質を見失った者は、やがて弱体化する。それが世の倣い。老舗ブランドもその例外ではなく、フォード傘下時代にあってはポルシェのようになれたかも知れなかったのに、結局、大成功にはいたらなかった。
ジャガーFタイプSクーぺ

ボディサイズは全長4470mm×全幅1925mm×全高1315mm

ジャガーに復活の兆しが見えはじめたのは、タタ傘下となって、スポーツイメージを急速に取り戻しはじめてからのことだ。そのシンボリックな存在がFタイプであり、“Eタイプの次”というモデル名からも、その意気込みを推し量ることができるだろう。少なくとも、名匠イアン・カラムの手になるスタイリングからは、兄貴分のXKシリーズ以上に、スポーツカーらしく力を溜め込んだ、ダイナミックな優美さが発散されている。
ジャガーFタイプRクーぺ

ドライバーを中心とした“1+1”レイアウト。Rにはサポート性に優れたパフォーマンスシートを備える

ジャガーFタイプRクーぺ

ラゲージ容量は407リッターと、ゴルフバック2個を収納できる。テールゲートは電動開閉式となる

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