脳に勝ち癖を付けるためのひいきチームの作り方
お金持ち脳に詳しい医師の吉田たかよしさん
お金を儲ける人の脳になるためには、脳を健全に保つことで本来の意欲を掻き立てること。その一つがテストステロンという男性ホルモンであることはすでに述べました。このテストステロンを適度に分泌する良い方法があります。
皆さんはスポーツ観戦は好きでしょうか? ある実験によると自分がひいきにしているチームが試合で勝つと、血中のテストステロンが上昇することがわかりました。応援しているチームが勝つことで、興奮状態になり、ホルモンが分泌されるのです。
逆に試合で負けると、テストステロンは低くなってしまう。このことから好きなプロ野球チームはできるだけ強いチームにしたほうがいいと言えます。強いチームほど勝つことが多いのでテストステロンが分泌される機会がそれだけ多くなる。逆に弱いチームをずっと応援しているとテストステロンを分泌する機会が少なくなってしまいます。
その他、筋トレなども効果があるとされます。筋肉に負荷をかけることでテストステロン値が高くなるという研究データも。またジョギングなどの有酸素運動も効果的。引き締まった筋肉質の体を作ることで同時にテストステロンも上がる。太るとその値が低くなるという研究もあります。
体を動かすということはテストステロンの分泌に限らず、脳全体の活性化に非常にプラスに働きます。一般にやる気の中枢と呼ばれるのが大脳辺縁系の中にある側坐核(そくざかく)と呼ばれる小さな部位。
「作業興奮」を利用して脳をスムーズに動かす!
体を動かして作業をすると、この側坐核(そくざかく)が刺激を受けやすくなるのです。先ほどのジョギングや筋トレなどもそうですが、ちょっとした机の上の整理や部屋の片づけでも構いません。体の部位を動かし、何らかの作業をすること。とくに机に向かって仕事をするビジネスマンなどは、いきなり体操したり走ったりはできません。その代わりに整理整頓をする。単純作業でもいいので目や手を動かすだけで脳が働きだします。
専門的には「作業興奮」と言うのですが、何かしら作業を始めることで脳が活性化し、その作業に没頭することができるようになる。皆さんもよく経験がありませんか?溜まっていたレポートや企画書など、最初は始めるのがおっくうでも、ごまかしごまかし始めてしまうとノリが出てきてこなせるようになってくる。面白くなってきて俄然やる気が出てくる。
自動車が止まっている状態から動き出す瞬間が一番力が必要で、ガソリンを消費するように、人間の脳も動き出しが一番大変。しかしいったん動いてしまえばあとは慣性の法則でそれほどエネルギーを必要としなくてもスピードが乗ってきます。
そのためには手を付けやすい単純労働から入る。机の上の整理整頓などはまさにそれにふさわしい作業だと言えるでしょう。あるいはメールチェックだとか、パソコンのデスクトップ上の整理などでもいいでしょう。
脳がちゃんと動きだしたら、意欲もあとからついてきます。テストステロンなどの性ホルモンや脳内物質も適切に分泌され思考や行動もスムーズになる。当然お金を稼ぐための仕事、お金を増やすための投資行動が速やかに適切に取られることになります。
計画やビジョンで脳がやる気になる
脳をその気にさせる方法として、計画やビジョンを明確に立てるということも大きい。たとえば将来独立するという目標を立て、5年後、10年後に何を達成しているべきか? そのために必要なものは何かが明確にイメージできている人は、当然意欲も湧いてくるでしょう。これは仕事はもちろんですが、貯金など直接お金に関することにも言えます。いつまでにいくら貯金する。そのためには毎月どれだけ貯蓄する必要があるか?
そのためには生活費をどう削っていくか?それらが明確であればそれだけ行動に移すことも容易になります。
脳を活性化し、脳をその気にさせる。そうすることでお金を稼いだり、増やしたりすることができる。決して難しいことは必要ありません。日々の仕事と生活の仕方、そのちょっとした違いに鍵があるのです。
★次回は、お金持ち脳を破壊する行動についてインタビューします
教えてくれたのは……
吉田たかよしさん
取材・文/本間大樹