カノジョをつくることに消極的だけど、結婚願望は強い
交際相手がいない独身者に「交際相手がほしいかどうか」を聞いたところ、「なんとなく欲しいなとは思っているが特別な活動はしていない」というなんとも煮え切らない回答をした人が、共学出身の男性では26.1%であったのに対し、男子校出身者(「共学校だけどほぼ男子のみクラス出身者」を含む。以下同)では34.2%に上りました。男子校出身者は、カノジョが欲しい気持ちはあれど、実際の行動面では消極的であることがうかがえます。一方、「結婚についての意向」においては、「いつかは結婚したいと考えている」という前向きな回答をした人が、共学出身者の男性では36.4%であったのに対し、男子校出身者では43.5%にも上りました。「カノジョはほしい。でも具体的な行動は起こさない。だけど結婚はぜひしたい!」という、男子校出身者のなんだかいびつな願望が浮き彫りになってしまいました(苦笑)。
男子校出身者は女性とのコミュニケーションに自信がない
独身者に「結婚したいと思わない、あるいは結婚はしないと思う理由」について聞ききました。すると次のような結果が得られました。・共学校出身の男性も男子校出身者も「異性と出会う機会がないから」が3位。ただし割合で見ると、共学校出身者の男性では28%、男子校出身者37.7%と、男子校出身者のほうが、「異性と出会う機会がない」と感じている割合が多いことがわかりました。
・「異性とうまく付き合えないから」と答えた人は、共学校出身の男性では18.2%で理由の8位であったのに対し、男子校出身者では24.5%で理由の4位に付けていました。
この結果と、先ほどの「カノジョはほしい。でも具体的な行動は起こさない」といういびつな願望を合わせて考えると、「男子校出身者は共学校出身の男性よりも、異性と付き合いに苦手意識を感じており、異性との出会いを求めることに消極的なのではないか」という仮説が成り立ちます。男子校出身者は、「自分は異性とのコミュニケーションが苦手」と思っているようなのです。
実際の「カノジョいる率」では男子校・共学校の差はなし
昔から「男子校に行くと女の子と付き合えない男性になる」などとよくいわれますが、実際のところ、男子校出身者と共学校出身の男性では、結婚している割合がどれくらい違うのか、知りたいと思いますよね。しかし残念ながら、今回の調査では、「独身者」、「既婚者」という属性を前提にサンプルを集めているので、そのようなデータは得られていません。しかし、過去に内閣府が行った調査によると、男子校出身者と共学校出身者の男性のそれぞれの既婚率の間に有意な差はなかったと聞いたことがあります。また、今回の調査結果からも、独身者における「交際相手がいる」割合は、共学校出身の男性の22.9%に対して男子校出身者の21.8%とほとんど差はありません。カノジョができる確率や結婚できる確率においては、男子校出身だろうが共学校出身の男性だろうが、差がないようだといえます。
すると、「自分は異性とのコミュニケーションが苦手」というのは、男子校出身者の思い込みである可能性があります。その気になって出会いを求め、自信をもって女性とコミュニケーションを取れば、少なくとも共学校出身の男性と同程度には、カノジョができて、結婚もできるはずです。「男子校に行くと女の子と付き合えない男性になる」という昔からの既成概念が呪いとなって、男子校出身者の恋愛観や結婚観を縛っている可能性があります。