成熟した都市だからこそ

オリンピックパーク

現在はロックコンサートなどのイベントにも使用されているオリンピックパークの一部。人口芝生が気持ちいい。

ロンドン五輪が閉幕したちょうど1年後、2020年の五輪は東京で開催されることが決まりました。招致活動中からも「ロンドンから学ぶことは多い」との意見が多く聞かれましたが、東京とロンドンでどのような共通点があるのでしょうか?そして、学ぶべき点とはいったいなんでしょうか?

共通点のひとつに、成熟した都市での開催、ということが挙げられるでしょう。新興国での開催であればインフラの大規模な整備が必要ですが、ロンドンや東京ではすでにインフラが整っているため投資も比較的少なくて済みます。豊富な宿泊施設と発達した交通網は大都市ならではの強み。工期などスケジュール上のリスクも軽減されるでしょう。その意味では開催後の経済波及効果についても、ロンドンでの成功事例は大いに参考となりそうです。

このほか、環境に配慮したコンパクトな五輪を目指す、という点も共通しています。ロンドンでは、競技場や選手村などの施設の多くをイーストロンドンに集中させることに成功しました。東京も、「コンパクトな会場配置を目指す」と謳っており、計画通り行けば選手村を中心とした半径8km圏内に85%の競技会場を配置される予定です。

こうした共通点が東京に教えてくれることはたくさんあるでしょう。このほか、国際都市として、ぜひ参考にしたいことも。例えば、複雑化するテロなどのへの安全対策。さらに、ロンドン五輪はSNSなどが本格的に登場した後の最初のオリンピックとして注目されましたが、そこで得られた知見もぜひ取り入れたいところです。

五輪を機に観光立国となるか

ロンドン五輪がもたらした観光産業への好影響は、現在もまだ続いています。2013年にイギリスを訪れた観光客は過去最高の3300万人を超え、前年比で6%増。同国が掲げる2020年までに4000万人という数字も現実味を帯びてきました。

一方の日本も、観光立国に向けて、東京五輪を絶好の機会と捉えています。昨年、観光客の数は初めて1000万人の大台を超え、今年は1200万人が目標。2020年の五輪開催時には2000万人を目指しています。

覚書の締結

JNTO理事長の松山良一氏と英国政府観光庁会長のクリストファー・ロドリゲス氏による両機関相互協力に関する覚書の締結

英国の観光産業は好調ですが、五輪の残した遺産(レガシー)を、上手にそして計画的に活かしていることがその背景にありそうです。そうした効果のひとつには、都市ブランドの向上が挙げられるでしょう。五輪の成功により、旅行者たちはロンドン、ひいては英国に対して好印象を持ったはずです。また、レガシーは、五輪パークなどの施設の再利用や、スポーツの国際交流の活性化にも寄与しています。「五輪前」だけでなく「五輪後」もいかに継続して都市の魅力を打ち出していくか、東京にとってロンドンはいいモデルケースとなりえます。

9月26日には独立行政法人国際観光振興機構(JNTO/日本)と英国政府観光庁(VisitBritain/英国)が、五輪など観光分野での共同アクションプログラムついての覚書を締結したばかり。両国の積極的な情報交換と協力体制で、東京ひいては日本へのさらなる観光客増加が期待されます。観光立国となるために、そして2020年に向けて、東京がロンドンから学ぶことは、少なくありません。

■参考URL
JNTO
VisitBritain
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