以前の記事「歯科インプラントにかかる費用」と「歯科インプラント費用の保険適用」と合わせてご覧ください。
歯科インプラント治療の費用について
歯科インプラント治療は基本的に自由診療になります。特殊なケースで限られた施設でのみ健康保険が適応になりますが、かなり厳しい条件になります。自由診療ということはそれぞれの診療機関で治療費を設定し、患者との医療契約を元に診療を進めていくことになります。金額以上の充実感を得るためにも、担当医との事前の相談が大切です。
電化製品のような完成品と同じように比較している人もいらっしゃるようですが、技術力が大半の“医療行為”になりますので慎重に考えて比較してください。
治療費内訳
1. 診査診断料最終的に歯科インプラント治療をするかどうかを決定するにあたり、詳細情報がなければ正確な診断を下せません。その為には3DCTなどの詳細情報は必須であり、その情報収集のための費用になります。
2. 1次手術
歯槽骨内にフィクスチャーと呼ばれるインプラント体を埋入する手術になります。
3. 2次手術
歯肉に覆われたインプラント体を歯肉から貫通させます。レーザーやメスを用いて仮に封鎖しておいたキャップを厚みのあるものに交換します。1回法と呼ばれる最初から貫通させて行う手術法の場合は不要になります。また医院によっては1次2次手術をまとめた料金設定にしているところもあります。
4. 骨造成
インプラント体を安定させるだけの歯槽骨が不足している場合、自分の骨や人工材料でそれを補うことを指します。方法は様々です。
5. 軟組織移植
インプラント体は機能性はもちろん高い審美性も求められるようになりました。その際に周囲の軟組織が不足していた場合、別な部位から軟組織を移植しボリュームアップさせることを言います。方法は様々です。
6. アバットメント
インプラント体と上部構造(クラウン)をつなぐものです。過剰な力がかかった時に緩んだり折れてくれたりする安全装置の役割もありますが、骨の裏打ちのない歯肉貫通部を審美的且つ機能的に維持するための大切なパーツです。既製品もあればオーダーメイドもありますし、材質も様々です。
7. 上部構造
メタルクラウン、メタルフレームセラミック、メタルハイブリッド、オールセラミッククラウン、ジルコニアクラウン、ジルコニアフレームセラミッククラウンなど無数に種類があります。歯科インプラントは天然歯にはある歯根膜がないので、上部構造の材料選びはとても重要です。また、接着剤で固定するタイプもあればネジで止めるタイプもあり、目的は様々です。
8. メインテナンス
歯科インプラント治療は自由診療になりますので、基本的にはメインテナンスも自由診療になります。天然歯よりも細かくチェックしなければならない部分が多いですし、1度問題が起こってからの進行スピードが速いので専門知識を持った歯科衛生士による定期的なメインテナンスが重要です。
9. 施設準備料
専用の手術室や、使い捨ての器具器材など、様々な部分で治療費とは別に施設準備費用をいただく医院もあります。
このように歯科インプラントの治療費は様々な項目があります。埋入するインプラントの本数や種類、口腔内の状況、上にかぶせるクラウンの材質など、一人一人の求めるゴールや治療計画によって金額は異なりますので、まずは十分なカウンセリングを受け、治療に臨んでください。