「イスラム国(IS)」への懸念で米国株に黄信号!?
イスラム国への懸念で米国株に黄信号!?日本での報道との温度差に要注意です!
翌9月26日(金)にはすばやく反発を見せ、終値でS&P500指数、ナスダックとも50日線を回復しました。ただ、前日の大幅下落分までは取り返せず、また出来高も大きく減少しました。従って木曜の売り込まれ方に比べて弱い反発といえ、要注意です。
大口の投資家は買うよりも売る方に熱心だったということです。現状の米国株の短期トレンド判定は「上昇トレンド」を維持しますが、再び50日移動平均線を商いを伴って下抜けて行けば、その時点で「下落転換」の判断になると思います。現状は黄信号点滅というところです。
もっとも、米国の経済指標は依然好調の様子です。第2四半期GDP成長率の確定値は+4.6%(年率換算)に上方修正され、輸出や設備投資が好調でした。ロイター・ミシガン大調査の9月消費者信頼感指数も1年2ヶ月間の最高であったほか、新築住宅販売も順調でした。
しかしながら、欧米の関心事は経済よりも「イスラム国(IS)」との戦争に向いており、連日このニュースが陰を落としています。遠く離れた日本での報道ぶりとは温度差がかなりある点に注意が必要です。
9月25日(木)の大幅安の日には、ニューヨークとパリの地下鉄でテロ計画の噂が出たことも影響しています。恐怖指数と呼ばれるVIX指数は乱高下しながら上昇してきており、相場の荒れ具合を象徴しています。
日本株は下げ限定的だが今後の動向に注意!
一方、米国株が急激な調整となった割には、日本株の下げは限定的です。下げ渋った原動力は円安であり、9月25日(木)に日経平均が1万6374円と年初来高値を更新した際、109円台の為替レートに戻っておりました。そして翌9月26日(金)は配当権利落ちに加えて、前日の夜にニューヨークダウが264ドル安と急落したため、日経平均は280円を超える下げ幅で寄り付きましたが、再び109円に戻した円安を背景に反発し、144円安で終えました。配当分を考慮するとこの日は実質54円安程度の小幅調整となります。出来高の推移を確認すると9月24日(水)は売買代金を増加させて小幅安となったものの、9月25日(木)は大きな出来高を伴っての大幅上昇でした。今のところ日本株の上昇トレンド継続との判断を変更する理由は見当たりませんが、少し海外に調整色が出ている点は気がかりです。
「イスラム国(IS)」への懸念から仮に来週米国が下落転換すれば、まず数日以内に日本株もそうなる確率大です。日経平均のチャートとしても、50日移動平均線から上への乖離率も大きくなっており、このまま一直線に上昇が続くという場面でもなさそうです。したがって10月は一旦調整というシナリオを想定しておきたいところです。ただし、基本的に日米の金利差拡大に伴う円安基調は続いておりますので、一旦調整後は年末に向けて、(円安を背景に)再び上昇基調に入るのではないかと思います。
参考:日本株通信
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