アート・美術展/アートの楽しみ方入門

変わりつつある「絵」のあり方を西武アキラさんに聞く(2ページ目)

油絵具とキャンバスをつかって風景を描くことも、紙にペンでキャラクターを描くことも「絵」です。いろいろな場所で見ることができる「絵」について、今回は考えていきます。

藤田 千彩

執筆者:藤田 千彩

アートガイド

雑誌の表紙に描かれた「絵」

西武さんの「絵」は雑誌やウェブサイトでも見ることができます。

雑誌「Web Designing」表紙

雑誌「Web Designing」表紙


 
「雑誌の編集部からの依頼で描きました。こうした依頼で絵を描くことは、編集部や企業といった僕以外の意向に添ったものや、情報を分かりやすく視覚化していきます」(西武さん)。

メールなどでの依頼や打ち合わせを通して、下書きを編集部や企業に提出し、修正や確認の指示をもらって、本番の絵の制作に取り掛かるのだそう。


増える「絵」の需要

西武さんの「絵」は雑誌やウェブサイト以外でも、見ることができます。

「ファッションブランドからの依頼で、僕の描いた絵が布地にプリントされました。このように、絵を発表する場の種類は増えています」(西武さん)。

そう言えば、世の中に出回っている衣服(アパレル)や雑貨を見ていると、シンプルさを求めた2000年代を経て、最近は少しでも気持ちをアップさせようと色や形を取り入れたものが増えている気がします。

「音楽であれば『ライブ』と『デジタルデータ』という関係性が成り立ちます。いま、絵も同じ状況が起きています。『ライブ』のように現実空間、つまり美術館やギャラリーで絵を発表することもあります。かたや『データ』でつくった絵が、雑誌の表紙や布地のプリントにつかわれているのです」(西武さん)

「絵」とひとことで言っても、パソコン上で絵を描く人もいれば、ペンや色鉛筆と紙で絵を起こす人もいます。いろいろな形やサイズ、画材、モチーフ、色など、それぞれの魅力はそれぞれあります。いろいろな場所で見ることができる「絵」に、これからもう少し注目してみませんか。ただの「挿絵」のような絵でも何かを受け取ることができるかもしれませんし、「抽象的な絵」からもあなただけにしか感じられない何かがあるかもしれません。ぜひ鑑賞力を鍛えながら、「絵」ってなんだろう、と考えてみてほしいものです。

西武アキラさんの展覧会情報

■大阪のギャラリー「ondo」で2014年12月4~26日まで個展をします。
http://ondo-info.net

■2015年にパリで行われるフェスティバル「Fête du graphisme」に、CHOJIN CLUBとして参加します。
http://www.fetedugraphisme.org


【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場でアート関連の商品を見るAmazon でアート関連の商品を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます