エクステリア/庭・エクステリアの基礎知識・デザイン

エクステリア照明プランの基礎知識

エクステリア(外まわり)の照明プランは、設置する空間ごとに重視したいポイントは異なるものです。ここでは空間別に、プランニングのポイントや注意点、取り入れたい機器などをまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

エクステリア(外まわり)の照明プランの基本は、足元や周囲に明るさを確保すること、防犯効果を持たせること、門まわりや庭などを演出すること、などが挙げられます。

最近の傾向としては、建物を含め外まわり全体を演出するようなプラン、門扉や塀などエクステリアの造作物に光源を一体化させるなどの提案もみられ、LEDなど省エネルギー性に配慮した商品、センサー機能を持たせ使い勝手や防犯性能を高めたタイプなども充実してきています。

エクステリアの照明を考える際には、外まわりはもちろん、室内も含めてプランニングすることが大切ですが、空間ごとに配慮しておきたいポイントも。ここでは、照明が必要となる空間別に、プランニングのポイントや注意点、取り入れたい機器などをまとめました。

[写真協力] LIXIL(TOEX)

空間別 照明の考え方と注意点

LIXIL

門袖に馴染む、すっきりとしたデザインの照明、玄関まわりはダウンライトで明るさを確保。 [ブラケット 門袖灯]

■門
門まわりに設置する門灯は、門扉の開閉がしやすく、床の段差などが認識できるような明るさを確保することが重要。門のデザインによっては、表札やポスト(投函口)などを照らす必要もあるでしょう。

常夜灯となる門灯には、暗くなると自動で点灯し明るくなると消灯するセンサーや時間によって点灯・消灯するタイマー付きなどを取り入れても。つけ忘れや消し忘れを防ぐことができるので、外出時でも安心な上、節電にもつながるでしょう。

最近、取り入れられることも多い機能門柱などには、あらかじめ照明が組み込まれたデザインが多くみられます。門柱を選ぶ際に、明るさや機能などを確認しておくことも大切でしょう。

■アプローチ
門扉から玄関までのアプローチ空間は、階段などの段差が設けられることも多く、安全面を考慮した明るさの確保を優先したいもの。アプローチに距離がある場合は、玄関まで誘導するように複数の灯りを取り入れたり、周囲の植栽を照らすなど、楽しむことができるような演出もおすすめです。

足元を明るくするためには、フットライトを組み込んだり、低めの高さのスタンドやポールタイプの照明器具を設置してもいいでしょう。

■玄関
LIXIL

落ち着いた雰囲気のデザインに揃えた門灯と玄関灯。 [新欧風ライト LEDクラシック]

玄関まわりには、玄関扉や玄関ポーチ空間全体を明るくする照明が必要です。鍵の施開錠がしやすいこと、来客の姿が認識できる明るさの確保を。門灯と同様に、センサーやタイマー付きなどの機器や不審者を検知するとフラッシュ光とアラーム音で警告するタイプなどを設置してもいいでしょう。

玄関灯やポーチ灯の照明器具としては、比較的デザイン性のあるものが多く提案されており、門灯とコーディネートできるタイプなどもみられます。玄関ドアや外観デザインに合わせて選ぶとまとまるでしょう。

■駐車スペース
駐車スペースの照明は、何よりも安全性を重視することが大切です。夜間の車の出し入れ、荷物の積み下ろしなどがしやすいような明るさに。駐車スペースのプランニングにもよりますが、車の誘導灯としてフットライトを取り入れてもいいでしょう。また、防犯面にも十分に配慮を。人を感知して点灯する人感センサー付きのタイプもおすすめです。

カーポートやガレージなどの建材商品には、照明が設定されたタイプも多くみられるので、選ぶ際には、設定された照明の機能や明るさなど事前に確認を。

■デッキ・ベランダ
デッキやバルコニーなどの利用頻度や利用方法にもよりますが、ホームパーティなどで使う機会が多い場合は、照明を設けておきたいもの。段差や手すりの位置などが把握でき、食事などがしやすい明るさを確保しておきましょう。テーブルを照らすスポットライトなども向いています。

デッキやベランダなどは、室内からの灯りが届くことも多いので、使い方に合わせて必要な明るさを検討することがポイントです。

■勝手口
勝手口は、住まいの裏手に面することも多いので、夜間でも使いやすいことはもちろん、防犯面を重視したいところ。門灯や玄関灯と同様に、明るさセンサーやタイマー付きなどの機器を取り入れてもいいですし、人感センサー付きのタイプを設置するのもいいでしょう。

■庭
LIXIL

エクステリアの照明で住まいの印象も大きく変わる。周囲に馴染むような灯りプランを。 [LEDライン]

庭を照らす庭園灯は、空間の広さやデザインによって、さまざまなプランが考えられます。植栽に光をあてたり、建物の壁を照らすなどの演出をしても。外からだけでなく、室内からも庭の夜景を楽しめるような工夫をしたいものです。また、灯りに高低差をつけることで、奥行きや立体感も生まれます。平面的なプランだけでなく、立体的に考えることもポイントでしょう。

防犯面では、不審者が潜むことができるような暗がりを作らないこと。塀や植栽などによって暗がりとなってしまうスペースを極力減らすようなプランニングをすることが大切です。

そのほか、ライトアップなどをプランニングする際は、近隣への配慮も忘れずに。光の方向や明るさなどに注意をするようにしましょう。

ランニングコストも考慮した機器選びを

エクステリア照明は、住まいの灯りであると同時に、周囲の街並みの灯りにもなるもの。わが家だけでなく、街全体の防犯を考慮したプランニングを心掛けることも必要でしょう。

また、これからは、無駄なエネルギーを使用せず、適切な照明プランを計画することがますます重要になってきています。エクステリア照明に関しても、周辺環境やライフスタイルに合わせ、イニシャルコストだけでなくランニングコストを考えた機器選びをしたいものです。


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