2ケタ勝利をあげた投手の多さが底上げに
そして、64勝目は、レッドソックスの田沢純一投手(28)だ。オリオールズ戦の3対3で迎えた九回に登板し、9球で三者凡退に仕留め、延長十回の勝ち越しにつなげた。これで日本人選手としては初となる2年連続の70試合登板も達成した。「監督に使ってもらえたことに感謝しないといけない」とあくまでも謙虚。昨季は71試合、ポストシーズンでも13試合を投げ抜いてワールドシリーズ制覇に貢献した。今季はチームが低迷しているものの、黙々と投げ続ける右腕は「行けと言われたら行くだけ。いつでも準備はできている」と力強い。この64勝の内訳は、岩隈(マリナーズ)が14勝、田中(ヤンキース)が12勝、黒田(ヤンキース)が11勝、ダルビッシュ(レンジャーズ)が10勝、上原(レッドソックス)が6勝、和田(カブス)と田沢(レッドソックス)が4勝、松坂(メッツ)が3勝である。ちなみに2002年は野茂(ドジャース)が16勝、石井一(ドジャース)が14勝、大家(エクスポズ)が13勝、長谷川(マリナーズ)が8勝、佐々木(マリナーズ)と吉井(エクスポズ)が4勝、伊良部(レンジャーズ)が3勝だった。
今季と2002年との大きな違いは、やはり2ケタ勝利を挙げた投手が4人いることで、それだけ各チームで主力を形成している証拠だろう。
メジャーにおける日本人投手の躍進は著しい。田中とダルビッシュが離脱しなければ、もっと早く、大幅に更新していたはずだ。来季、全員が万全ならば、果たして何勝まで積み上げるのかが今から楽しみである。