絶滅危惧種クロサイとシロサイ
ケニアにはシロサイとクロサイの2種が生息しています。とはいっても、実はシロサイはすでにケニアでは絶滅していて、現在見られるものは南部アフリカから移入し、復活させたものです。シロサイは移入が成功し増えているものの、クロサイはわずかしか残っていません。シロサイとクロサイの違いは色ではないんですよ!体色はどちらもグレー。見分け方として大きな特徴は、口元が平たく広がっているのがシロサイです。幅広い=ワイドと呼んでいるうちに、ワイド、ワイト、ホワイト……と訛って、ホワイト(シロ)サイと呼ぶようになったと言われています。一方で残った方をクロサイと呼ぶようになったという冗談のような話が定説になっています。
シロサイは幅広い口で草を食み、クロサイは小さな口で木の枝をたぐりよせ葉っぱを食べています。そのためシロサイが見られるのは、草が茂る開けた草原。クロサイは森のそばで見られます。クロサイは数が少なく、尚且つとても臆病者なので、ゲームドライブではめったに見られないレアものです。
視力はあまり良くありませんが、一方で音にはとても敏感。サイを見つけたら静かーに観察しましょう!
■サイが見られる国立公園
各部屋にあるアニマルコール。主な動物が現われると、夜中でもブザーが鳴り、起こしてくれます
・マサイマラ国立保護区……クロサイがわずかに生息しています。特にマラ川より西側の“マラトライアングル”と呼ばれる地域での目撃談が多いようです。
・アバデア国立公園……クロサイがわずかに生息していますが、めったに見ることができません。主に夜間に活動するので、夜中でも動物が現われると起こしてくれるブザー”アニマルコール”をオンにしておきましょう。
・ナイロビ国立公園……公園西部の森にクロサイが生息しています。時々森の中から出てくるので、比較的目撃率は高いほうです。2009年の旱ばつのとき、ナクル湖のシロサイをナイロビ国立公園に避難させているので、シロサイも見られます。
サバンナの暴れ者アフリカ水牛
のんびり草を食む姿からは想像しがたいけれど、地元の人達も恐れる暴れ者のウシ。オスメス共に立派なツノを持ち、ライオンに襲われるとこのツノで撃退することもあります。あちこちで見られるため、あまり稀少な動物な気がしませんが、狩猟が許されていた時代、凶暴な水牛は手ごわい相手だったためにビッグ5に数えられています。オスが従える群れは大きなものだと100頭を超え、時には群れが重なり合い数100頭の大軍団を形成していることもあります。一方群れから離れたオスは単独とはいえ、特に神経質で攻撃的になっているので、サファリのドライバーさんも特に注意を払っています。普段はのんびりと草を反すうしている、おとなしい草食獣です。
■ アフリカ水牛が見られる国立公園
マサイマラ国立保護区、アンボセリ国立公園、ナクル湖国立公園、アバデア国立公園など、ケニアのどこの国立公園、保護区でも見ることができます。