イラクへのリベンジが合言葉
グループルーグ最大のライバルはイラクだ。日本にとっては因縁の深い相手である。2012年のU-19アジア選手権の準々決勝でイラクに敗れ、翌年開催のU-20ワールドカップ出場を逃したのだ。日本は世界への扉を閉ざされ、イラクは世界の4強入りを果たした。
今年1月に行われたU-22アジアカップでも、両チームは準々決勝で激突している。ここでも勝ったのはイラクで、日本を下した彼らは優勝した。
手倉森監督の言葉に力がこもる。
「1月の大会で負けたリベンジを、グループステージで果たしたい。日本とイラクが決勝トーナメントに進出すれば、決勝戦まで当たらない。金メダルを賭けた一戦でもう一度イラクを下すことになれば、過去2度の敗戦もまとめて払しょくできる」
■国民的英雄を加えたイラク
とはいえ、イラクは難敵だ。この世代で最強の呼び声が高いうえに、大会のレギュレーションどおりに23歳以下でチームを編成し、3人のオーバーエイジが含まれている。
なかでも警戒すべきは、ストライカーのユニス・マフムード(31歳)である。2004年のアテネ五輪ベスト4、2007年アジアカップ優勝などの実績を持ち、現在のイラクサッカー界のシンボル的存在だ。多彩なゴールパターンを持つこの男から、決して目を離してはいけない。
クウェートも1月のU-22アジアカップで対戦、0対0で引き分けている。イラクより力は落ちるが、伝統のカウンターは鋭い。「相手の顔ぶれも変わるだろう」と、手倉森監督も前回対戦は参考にしていない。長身FWをターゲットとしたシンプルな攻撃には、十分な警戒が必要だ。
ネパールは情報が少ないが、格下と判断して問題ない。グループリーグ最終戦で対戦するのは、悪くないスケジュールと言えるだろう。