夫婦お互い「大変ですなぁ」
お互い喧嘩をしたいわけじゃない、妖怪に取り憑かれているだけ…!?
夫の側からは、「家に帰っても落ち着かない。自分の居場所がない……」と、なんとも切ない相談を受けることがあります。妻がいつもイライラしていて、何をやっても怒られるというのです。しまいには「あなたがやるとかえって時間がかかるから、何もしないで!」なんて怒鳴られちゃうこともあるみたい。「家に帰りたくないから、わざと寄り道して帰る」なんて本音を漏らすパパも。
私は、パパ向け講座では、「ママのストレス発散の相手もパパの役割。ときにはサンドバッグに徹することも必要」とお話しすることがあります。しかし、「ママのストレス発散の相手も自分の役割であるとはわかっていますが、それにしても限界があります。昔はかわいいカノジョだったのに、今は鬼嫁にしか見えません……」という泣き言のような相談を受けることも。
そんなパパには、「奥さんが変わってしまったとは思わないでください。奥さんの本当の姿は昔のかわいいカノジョのままです。でも今は、妖怪イクジヅカレがとりついてしまっているのです。悪いのは奥さんではなく、妖怪イクジヅカレです」とアドバイスします。
妖怪に取り憑かれたらどうするか?
ママに取り憑いた妖怪イクジヅカレを追い払うためには、パパが上手にママの話を聞いてあげたり、ママに1人の時間をプレゼントしたりすることが有効です。具体的な方法については拙著『忙しいビジネスマンのための3分間育児』をご覧いただきたいのですが、問題はパパのほうにも心の余裕がないときです。夫にも、妖怪シゴトヅカレという妖怪が憑依することがあるのです。自分自身が妖怪シゴトヅカレに憑依されているときに、ママの妖怪イクジヅカレを追い払う事なんてできないのです。「子どもができてから、夫婦ゲンカが増えた」という背景には、こういう理由があるのです。妻が妖怪イクジヅカレに憑依されていて、そこに妖怪シゴトヅカレに取り憑かれた夫が帰宅すると、ほどなくして「妖怪大戦争」が始まってしまうでしょう。その「危険」を、男性は察知します。そして、まっすぐ家には帰らず、妖怪シゴトヅカレを追い払うために、途中で神社に立ち寄るのです。どこの町にもある神社です。「居酒屋」という神社です。そこで御神酒をいただいて、妖怪を払い落としてから帰宅するようにしているのです。それをしないと、もっとひどい妖怪大戦争が始まってしまいますから。
「夫だけそとでリラックスタイムをエンジョイしてずるい!」というのはごもっともなご指摘。だからといってお互いに首を絞め合っていてもますます苦しくなるだけ。夫が居酒屋で妖怪イクジヅカレをお祓いしてもらったのなら、妻もときには子どもを夫に預けて、自分なりのお祓いの時間を確保してみてください。美容院、マッサージ、エステ、女子会…なんでもいいです。自分なりの神社を見つけて、上手にストレスを解消するのも、大人のたしなみというものです。
ただし、男性が通う神社の中には、巫女さんが隣に付いて御神酒をお酌してくれる贅沢なところもありますから要注意。普通の神社と比べて、お代が1ケタ違います。レシートを確認して、「これは一ケタ多いでしょう」というときは、首を絞めてもいいです(笑)。