このうち『白い巨塔』は2003年に唐沢寿明主演でリメイク。『北の国から』はスペシャルとして2002年まで続きました。しかし1966年の『若者たち』は、同じく貧乏な兄弟ものの『ひとつ屋根の下』が影響を受けているといわれていますが、直接的なリメイクはなし。
昭和でよくても平成では
それが、ここにきて『若者たち2014』が登場です。オリジナル版で取り上げられた貧困、格差、差別といったテーマは、現代でも通用する話だけに期待されました。しかし評価が別れるのは『若者たち』のもう一つの特徴である、兄弟たちがケンカ・口論で熱くぶつかり合う構成。これは昭和ならアリでも、現代のコミニュケーションに気を使う若者ではありえません。このため好きな人は好きだが、一般ウケはしないという状況になっています。『ひとつ屋根の下』はそこをあんちゃん(江口洋介)をオーバーに暑苦しく描くことでクリアしてたんですね。よく考えられています。
貧乏と反体制と
『若者たち』の直接的なリメイクは今回が初めてですが、兄弟のキャラクターと演じた俳優のイメージは、フジテレビのその後の作品に影響を残しています。一人は長男・佐藤太郎役の田中邦衛。もう一人は三男・佐藤三郎役の山本圭です。太郎は『2014』の長男・旭(妻夫木聡)と同じく生計の中心になって真面目に泥臭く働くキャラ。これは『北の国から』の黒板五郎につながっていきます。
三郎は学生運動に燃える高学歴・反体制キャラ。『2014』の三男・陽(柄本佑)は芝居に力を入れていますが、演じる舞台はつかこうへいの『飛龍伝』と、間接的に学生運動に関わってます。
『若者たち』で演じた役柄もあって、山本圭といえば「学生運動をやっていた」キャラを演じさせると日本一だと思います。そういう役をかなり見ました。他の代表作として、現在でも見やすいところで映画『新幹線大爆破』をあげておきます。爆破犯グループの一人で元学生運動家でした。
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