開館:10:00~18:00 入館は17:30まで
入館料:一般800円(65歳以上700円) 大学生600円 中・高校生200円
小学生以下無料 20名以上の団体は100円引き
障がい者手帳をお持ちの方、および付き添いの方1名まで無料
会場構成:みかんぐみ(担当:マニュエル・タルディッツ)
会場:パナソニック 汐留ミュージアム
東京都港区東新橋1-5-1 パナソニック東京汐留ビル4階
お問い合わせ:NTTハローダイヤル TEL.03-5777-8600
主催:パナソニック 汐留ミュージアム 東京新聞 ポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館
ロール・アルバン=ギヨ撮影《ピエール・シャローの肖像》1925年 Photo ©Centre Pompidou - MNAM CCI, Philippe Migeat, Dist. RMN-GP, distributed by AMF
17のトピックでシャローの業績を辿る
本展はパリのポンピドゥー・センターの全面的な協力を得て、1920-1930年代のパリを舞台に、家具とインテリアと建築の3つの分野で比類のない造形を生み出したピエール・シャロー(1883-1950)を紹介する展覧会で、全体を17のトピックで構成しています。エントランスを折れ曲がり足を進めると、奥行きのあるメイン会場の中心を黒い一本の帯状の展示台が背骨のように貫き、そこにシャローのデザインした机や椅子等が整然と置かれています。
それぞれの作品の資料や写真が並ぶ横長の展示ボードは、間接照明により壁面から浮遊したように見えます。これらのユニークな会場デザインは「みかんぐみ」のフランス人建築家、マニュエル・タルディッツ氏によるものです。
1. タイトル脇と床のプロジェクション映像が出迎える会場入口。
家具職人から建築家へ
1920年代に大流行したアール・デコ時代に、家具職人としてその頭角を現したピエール・シャローは、フランス装飾芸術展やサロン・ドートンヌに家具やインテリアを数多く発表しました。会場では、「機能的な生活の追求」「新しい素材の開拓」「工業技術の採用」といった当時の最新のトレンドによってデザインされた、1925年のアール・デコ博で発表した3つの作品(レジョン=ドヌールを受章)も展示されています。
また、1920年代末から1930年代には、オランダ人建築家ベルナルト・ベイフットの協力を得て、南フランスに本格的な建築作品を2件実現させています。ここでは100分の1の模型と資料で、ル・コルビジェを彷佛とさせるモダニズム建築家としてのシャローの一面を垣間見ることが出来ます。
2. 手前はアール・デコ博で発表した「書斎机、椅子」と「肘掛け椅子《SN37》」。
3.「ロベール・マレ=ステヴァンスモデルの机」。友人でもある近代建築家、マレ=ステヴァンスの事務所のために、金属職人ルイ・ダルベに製作させた3本足の机と椅子。
4. 鉄を使った椅子が並ぶ会場。手前はガラスの家の「コート掛け」。
5. 住宅作品「ヴィラ・ヴァン・ダヴァル」。
6. 建築作品「ボーヴァロンのホテルのゴルフ場クラブハウス」。
建築家としての集大成「ガラスの家」
ピエール・シャローの代名詞である「ガラスの家」は、オランダ人建築家ベルナルド・ベイフット、金属職人ルイ・ダルベらの協力を得て、近代建築の黎明期に5年(1927~1931年)をかけて完成させた、住宅作品の金字塔です。当時の最新の建材であったガラスブロックによるファサードの内側には、近代的な工業部品に巧みな発想をかけ合わせて生まれた驚くべき仕掛けの数々と、優美な家具が織り成す濃密な空間が秘められています。
会場では、貴重な図面や模型に加えて、大壁面へのプロジェクション映像と竣工当時のスライドショー、そして会場前のビデオ上映により、その魅力を余すところ無く知ることが出来ます。
会期も余すところ1ヶ月となった本展を、この機会に是非ご覧下さい。
1. 2. 3.「ガラスの家」の外観とインテリア。Photo ©Centre Pompidou - MNAM Bibliothèque Kandinsky - Georges Meguerditchian
4. 5. 100分の1の大理石製の模型と資料と詳細な解説による「ガラスの家」の展示。
6. ベンチにゆったりと座って見られるポンピドゥー・センターによる「ガラスの家」の映像。
7.「ガラスの家」の竣工当時の貴重な写真のスライドショー。
8. ホワイエで観賞できる、BS-TBS『建築の記憶』のスペシャルバージョン。本展監修者のポンピドゥー・センターパリ国立近代美術館主任学芸員のオリヴィエ・サンカルブル氏も登場する。
学芸員によるギャラリートークも
展示に加えて9月12日(金)には、パナソニック 汐留ミュージアムの学芸員によるギャラリートークも開催されます。午後2時より約30分で、参加費無料です。より詳しく展示の内容を知りたいという方は、ぜひご参加下さい。なお、入館には展覧会観覧券が必要です。