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プロレス界に「2004年デビュー組」の時代が到来!

空前絶後と呼ばれた新日本プロレスの真夏の最強決定戦『G1クライマックス』はオカダ・カズチカが2年ぶり2度目の優勝を果たしました。全日本プロレスでは4月に右手親指を骨折した潮崎豪が復帰して諏訪魔とのライバル闘争を再開しました。彼らに共通するのは2004年にデビューしたこと。今、プロレス界はキャリア10年を迎えた2004年デビュー組が主役なのです。

小佐野 景浩

執筆者:小佐野 景浩

プロレスガイド

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今年のG1に優勝したオカダ

総勢22選手、3週間のロングランで開催された今年の新日本プロレス真夏の最強決定戦『G1クライマックス』は”レインメーカー”オカダ・カズチカが2年ぶり2度目の優勝を果たしました。これまでG1優勝は最多が蝶野正洋の5回、次が天山の3回で、オカダの2回は佐々木健介とタイ記録の3位になりますが、3回出場中2回優勝というのは驚異的な記録です。

現在、新日本のトップの象徴IWGPヘビー級王座はAJスタイズが保持していますが、オカダは来年1・4東京ドームでの挑戦権利書を取得。G1公式戦で敗れているカール・アンダーソン、内藤哲也と権利書を賭けた試合をやって雪辱した上で東京ドームに上がることを宣言しており、まずは9月23日のコンベックス岡山でアンダーソンと闘うことが決定しています。

もう一方の老舗・全日本プロレスに目を向けると、4月23日の後楽園ホールにおける『チャンピオン・カーニバル』公式戦でゼウスに勝ちながら、自らの豪腕ラリアットで右手親指を骨折してしまい、長期欠場を強いられていた潮崎豪が8月16日の後楽園ホールでカムバックしました。

復帰戦では諏訪魔に敗れたものの、4時間半の大手術を行った右手を攻められても全力のチョップ、豪腕ラリアットで対抗して「プロレスラーになった時から苦しいとか、キツイとか、そんなものは捨てた。俺の心を折ることはできない」とアピール。今後の全日本マットは諏訪魔vs潮崎のライバル闘争が軸になっていくことは間違いありません。

オカダ、諏訪魔、潮崎に共通しているのは2004年にデビューしていること。志崎がプロレスリング・ノアでヘビー級のエース候補として7月24日に東京・ディファ有明、オカダが弱冠16歳で闘龍門13期生として8月29日にメキシコのアレナ・コリセオ、諏訪魔は全日本の将来のエース候補として10月11日に後楽園ホールでデビューしています。

各団体で重要な地位に!これだけいる2004年デビューの選手

この2004年はプロレスラーの豊作の年でした。新日本では現NEVER無差別級王者の高橋裕二郎が7月26日の後楽園ホールで山本尚史戦でデビュー。山本もデビュー戦でしたが、この山本とは09年6月から今年の6月まで5年間にわたってWWEで活躍し、その去就が注目されているヨシ・タツです。

プロレスリング・ノアに目を向けると、去る2月11日に師匠の佐々木健介にシングルマッチで初勝利し、現在はプロレスリング・ノアのトップ戦線で活躍している中嶋勝彦は2004年1月5日に後楽園ホールで男子プロレスラー史上最年少の15歳9ヵ月でデビュー。同じノアで超危暴軍のメンバーとして異彩を放つ大原はじめは同年5月16日にオカダと同じ闘龍門13期生としてメキシコのアレナ・コリセオでデビューしています。

8月17日の両国国技館大会を前売り段階で全席完売にしたDDTでは新日本とのダブル所属となり、メジャーとインディーの垣根を越えてトップレスラーとして活躍している飯伏幸太が2004年7月1日に後楽園ホールでデビューしました。映画監督等、マルチな才能を発揮するマッスル坂井も同年7月31日に後楽園ホールでデビューしています。

昨年7月21日の神戸ワールド記念ホールでCIMAを破って2度目のオープン・ザ・ドリームゲート王座獲得に成功して「ドラゴンゲートの新しい時代の扉を開いた!」と言われた鷹木信悟も2004年10月3日に博多スターレーンでデビュー。様々な団体で2004年デビュー組が重要なポジションにいるのです。

プロレスラーには定年がなく、藤波辰爾、長州力、天龍源一郎らは還暦を過ぎても活躍してファンの支持を集めています。プロレスは強さだけが評価されるわけでなく、ファンと共に歩んできた歴史というのも大事です。かつて武藤敬司は「思い出には勝てねぇよ」と言いました。それだけにどんなに素質があって、どんなに強くてもプロレスラーが一人前としてファンに認知されるには10年かかります。

順調に育つ選手は3~5年で「いいね!」と注目され、7年ぐらいでチャンピオンとなり、そこから「やっぱりまだまだだな」と辛口の評価を受けて、10年で認められるという感じです。その意味では、2004年デビュー組が本当に力を発揮するのはこれから。彼らの活躍に注目しましょう!
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