身体は半分以上が、水分でできている

緑茶

脱水になりやすいお年寄り。トイレに行く回数を減らしたいと喉が渇いても意識的にお茶を飲まずに我慢している人もいます。季節を問わず、屋内にいても脱水になっていないか注意が必要です。

身体の60~70%は水分でできていますが、高齢者は生まれたての赤ちゃんと比べて、水分含量は減っています。肌が乾燥し、しわが多くなるのはそのためです。しかしそれでも水分は身体の半分以上を占めています。水分の役割は非常に多岐にわたり、栄養素や酸素などの運搬、老廃物の排泄、体温調節などを行っていて、水分なくしては身体は上手く機能できないのです。

高齢者の脱水症状には、加齢に伴う3つの変化が関係していると言われています。

  1.  筋肉の減少…体内の水分量が少なくなる
  2.  尿を作っている腎臓の機能が低下…老廃物を排出するための尿量が多くなる
  3. 身体の感覚が鈍くなり、喉の渇きを感じにくくなる…本人が気づかないうちに脱水になる

私の職場は二次救急を担当していますので、脱水症状の方はよく運ばれてきます。運ばれてくる人数は夏場のほうが多いのは確かですが、冬場でもゼロにはなりません。季節を問わず、脱水になってしまうことはあるのです。

高齢者の水分補給に適した飲み物

脱水症状になりやすい高齢者は、常に水分補給を行う必要があります。一般成人以上に、高齢者は水分補給に気を配り、定期的に水分補給を行う必要があります。そのため水分補給に使う飲み物にも、一工夫が必要です。水分といっても、冷たい水を大量に飲めばよいというわけではありません。たとえば、暑い夏の冷たい水は一口・ふた口はおいしいですが、大量に飲むと胃に負担がかかり、腸でも上手く吸収できません。

とはいえ、高齢になると嚥下機能が低下してしまうので、飲み込みが上手くできない人も多くなります。誤嚥をして苦しい経験を持つ人なども、また誤嚥するのでは? と水分補給を嫌がり、脱水になってしまうことがあります。

そのような場合は、水分に少しとろみをつけたり、ゼリー状の飲み物を選ぶと飲み込みやすい場合があります。最近では、「パウチ」に入ったゼリー状の飲料も市販されていますので、TPOに併せて使い分けるとよいでしょう。

汗や尿中から排泄されるのは水分だけではなかった

TVのCM等でもよく流れているので、ご存知の方も多いと思いますが、汗や尿中からは水分や老廃物と一緒に「塩分」が身体の外へ出て行きます。下痢や嘔吐をしているときなども、やはり塩分が身体の外へ出て行きます。塩分とは、正しい栄養学の用語ではカリウム・リン・マンガン・ナトリウム・鉄・カルシウムなどのミネラル分全般を指しますが、汗や尿中に排泄される塩分の多くは食塩(ナトリウム)です。運動後や屋外での労働の後、塩辛いものがおいしく感じるのはこれが原因です。

さらに、脱水状態の場合には、すばやく吸収されることが望まれますので、適度な水分と適度な塩分を含んだ飲み物が推奨されます。それらをバランスよく含んだものが、アクエリアス・ポカリスエット・OS-1などに代表されるイオン飲料です。

ただし、糖分や塩分は食事で摂ることが一般的です。塩分や糖分を摂りすぎると過栄養になってしまい、かえって身体によくない状態を作り出してしまいます。脱水状態のときや疲れを感じるときい以外は、イオン飲料ではなくミネラルウォーターやお茶、麦茶、紅茶といったカロリーの低い飲み物を飲んで下さい。目安としては、イオン飲料を一口飲んでみて、「おいしい」と思う場合は身体が糖分や塩分を欲しています。「おいしい」と感じる分だけ、イオン飲料を飲んでください。

もし、一口飲んでもイオン飲料をおいしいと感じない場合は、塩分や糖分は不足していません。ミネラルウォーターなどで水分補給をしてください。

必要な水分は2リットル

最後に、水分の必要量についてです。成人は1日2リットルの水が必要だといわれています。しかし、この2リットルには食事中の水分も含まれています。たとえば、米を炊く時は水分を入れて炊きます。また魚や肉、野菜もその成分に水分を含んでいます。これらの食材や、料理に含まれた水分も含めて2リットルです。

一般的に、料理中の水分は摂取カロリーの60%くらいといわれています。仮に1日1600kcalの食事を摂ったら、960ml(約1リットル)は水分が摂れるということです。ですので、お茶等を飲んで補充しなければならないのは、残りの1リットル分となります。

高齢者は一度に飲めるお茶の量も少なくなります。この1リットルをこまめに補充することが、高齢者の脱水防止には、重要になります。



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