采女祭(うねめまつり)
その昔、帝の寵愛が薄れたことを嘆き悲しんだ采女が猿沢池に入水し、采女の霊を鎮めるために、池の畔に神社を建て、祭りが行われるようになったという言い伝えが残る、そんな采女神社の祭。現在では毎年仲秋の名月の日に祭事が行われています。当日のスケジュールは以下の通りです。
17時 お渡り式 JR奈良駅前から猿沢池までの三条通
18時 采女神社例祭・花扇(はなおうぎ)奉納の儀 采女神社
19時 管絃船の儀 猿沢池
まずお渡り式が行われ、17時にJR奈良駅前を出発。花扇使、ミス奈良、そして福島県郡山市から選出されたミスうねめらが、猿沢池を目指します。18時、春日大社神官による「花扇奉納」神事ののち、19時にクライマックスの「管絃船の儀」が猿沢池にて行われます。花扇が管絃船に乗り込んだあと、雅楽の調べを奏でつつ管絃船が池を巡り(写真)、最後に花扇を池に投じ、采女の霊を鎮めます。
この仲秋の名月の日、釆女神社の前で、月明かりで縫い針に赤い糸を通せば、願いが叶うという言い伝えがあります。神社ではこの日限定で「糸占」が授与されます。
なお、お渡り式の行列は雨天中止。台風など荒天時にはすべての行事が中止になることもありますので、現地での発表などに注意してください。奈良市近辺の宿は混雑していて、直前には予約ができないこともあります。そのときは、大阪市内に宿を取ると便利でしょう。京都市内へは大阪以上に時間がかかるうえ、大覚寺でも同じ日に観月の夕べが開かれるため、同様に混雑することが予想されます。
毎年仲秋の名月の日には、采女祭のほかにも全国各地で「観月会」や「観月の夕べ」というお月見行事が開かれます。いずれも、秋を実感するのにぴったりなお祭りといえるでしょう。
●采女祭
開催期日:毎年仲秋の名月の日(2014年は9月8日)
アクセス:近鉄奈良線 またはJR関西本線 奈良駅下車
電話:0742-22-3900 (采女祭保存会(奈良市観光センター内))
写真提供:奈良市観光協会