本格的な秋祭りが幕を開ける9月
9月に行われる全国各地の祭りのなかから、おすすめの祭りを独断で3つ選びました。今月は開催日順に、富山県の「越中おわら風の盆」、奈良県の「采女祭」、そして千葉県の「大原はだか祭」を紹介いたします。なお、同じく9月に行われる、岸和田だんじり祭り(2014年は 9月13~14日に開催)は「一度は行きたい日本の祭り五選」 のページにて紹介していますので、あわせてご覧ください。
越中おわら風の盆(えっちゅうおわらかぜのぼん)
台風や暴風雨がくることの多い二百十日の厄日に、作物を守り豊作を願うための祭り、越中おわら風の盆。元禄時代に始まったとされ、昭和初期には今のような祭りの原型ができたとされています。哀愁を帯びた胡弓や三味線が奏でる「おわら節」。格子戸や土蔵造りの、昔ながらの家並み。そして浴衣に黒い帯など、町ごとに独特の意匠をもつ衣裳。高橋治の小説『風の盆恋歌』をはじめ、数々の文学作品・歌や漫画などで取り上げられ、一度は行ってみたい祭りの筆頭格にもあげられています。
ただ、実際に行くとなると、幻想的な祭りの雰囲気とは裏腹に、相当の覚悟が求められます。小さな町並みのなかに3日間で20万人を超える観光客が訪れ、身動きもとれないほどに混み合います。宿はおろか、演舞会の観覧席もトイレも食事処もどこも満杯。それでも何とかして見たい、という意気込みと気合いと準備をもって、風の盆に臨みたいものです。
3日間のおもなスケジュールは以下の通りです。
9月1日
輪踊り・町流し(各町内) 15:00-17:00, 19:00-23:00
演舞会(有料) 19:00-21:00
9月2日
輪踊り・町流し(各町内) 15:00-17:00, 19:00-23:00
演舞会(有料) 19:00-21:25
9月3日
輪踊り・町流し 19:00-23:00
越中おわら風の盆は、いわば「最後の盆踊り」でもあり、踊る祭りであります。その中でもぜひ見ておきたいのは、町なかで踊りを繰り広げる「町流し」。風情ある町並みを、胡弓や三味線の音色にのせて、独特のそろいの浴衣・はっぴで踊るさまを見に、遠くから多くの観光客が訪れるのです。
また、舞台上で全11の町(支部)が交代で踊りを披露する「演舞会」も、有料ではありますがチケットが予約できればおすすめ。2014年度の演舞会は、八尾小学校グラウンドにて開催されます。コンビニ・プレイガイドなどでチケットは発売されていますが、早々に売り切れの可能性もあります。
演舞会に出演中の町は、町流しでは踊らないので、事前にガイドマップや公式サイトで時間を調べておくと、「待っていてももぬけの殻」ということは避けられ、しっかりと町流しを楽しめるでしょう。