保育園・保育所/保育園生活・トラブル

気になる保育園での友達関係……どう過ごしてる!?

長時間を共にする保育園でのお友達との関係。我が子はどんな風に過ごしている?保育園の子どもどうしのかかわりには、どんな特徴があるの? 保育園生活でのお友だちとの濃い時間に起きやすい事態、濃い関係ならではのメリットも知り、不安を減らしていきたいものです。

執筆者:千葉 美奈子

保育園での長い時間、お友達とどう過ごしている?

気になる保育園での友達関係

長い保育時間、お友だちとどんな風に過ごしている?

保育園でのお友だちとは、1日の最低8時間前後の長い時間を一緒に過ごす間柄です。その間、お友だちとどのように過ごしているかは、親にとって一番といっていいほど気になるところ。特に、まだ自分の言葉で今日あったことを伝えることができない年代の頃は、連絡帳やお迎え時の先生とのやり取りを通して1日の様子を簡単に聞くことができるだけ。お迎え時に、「今日はどんなことがあったの~。お友だちとどんな風にすごしたの~」と、まだ思うように意思疎通ができない我が子に、一方的に語りかける方も少なくないのでは!?

保育園生活でのお友だちとの濃い時間に起きやすい事態、濃い関係ならではのメリットも知り、先生との連絡のやり取りや他の保護者との交流の中で不安を減らしていきたいものです。
 

けんか、けが……トラブル時の園の対応

長時間、一緒の空間で過ごす中では、当然、けんかやけがをする機会も成長と共に増えていきます。1歳代になると物の取り合いも増え、さらに自我が成長してくる2歳代になると、様々な感情のぶつかり合いからのけんかも日常茶飯事になっていきます。そんなけんかを経験する中で、子どもたちは成長していきます。小さなけんかの1つ1つをお迎えに来た保護者に伝えることは、保護者の不安を招くことになりますが、けんかによって傷ができてしまったり、かなり後を引くような感情のぶつかり合いになってしまった場合には、お迎え時に説明があると思います。

しかし、「誰との間で」という具体的な名前までは伝えられないことも多いかもしれません。これは、保育時間内のトラブルは、先生が仲立ちになって解決に導くのが基本的な方針で、親どうしでトラブルについてやり取りをするという形に持っていかないためでもあります。トラブルの相手が分からないということが、心に引っかかることもあるかもしれませんが、保育園生活の特徴も踏まえ、誰とのトラブルというよりも、どういう状況で感情の衝突が発生し、それに対して先生がどのような対応をしてくれたかを、聞いたり質問したりして、その年頃の子どもたちに発生しがちな状況を把握していきたいものです。
 

他の子どもたち、親たちと、少しずつコミュニケーションを重ねよう

お友だちとの感情の衝突の中で、もちろん、我が子が友だちに手を出してしまうこともありえます。そんな場合、ある程度の状況を自分の言葉で説明できる4~5歳児クラスの年頃のお子さんの場合でも、どうしてそういう事態になっていったかを客観的に伝えることは、当然難しいことです。お子さんの話と現場にいた先生のお話を総合し、どのような展開でそうなってしまったのか、相手のお友だちの気持ちも想像しながらお子さんの気持ちを受け止めることが、お子さん自身の気持ちの整理にもつながるでしょう。

保育園では、お迎えの時間帯もバラバラで、同じクラスでも、親どうしが顔を合わせるのは限られた行事や保護者会の時のみという間柄もあるでしょう。仕事の都合でなかなかそういった場にも参加できない方もいるかもしれません。子どもの口からだけ、「だれだれとよくケンカする」という話を聞いていると、「日中の様子見られないし、どんな子なんだろう?」と想像だけが膨らんでしまうかも!? しかし、親子で園生活を重ねていく中で、園児たちと言葉を交わしたり、限られた機会でも親同士がコミュニケーションを重ねていったりすることで、お友だちとの関係に対する漠然とした不安は、少しずつ減っていくことも多いものですよ!
 

気になる!? クラスの中の男女比

ところで、初めて保育園に入る際は、クラスの男女比も結構気になりはしないでしょうか? 幼稚園は、男女の人数を決めて募集する場合とそうでない場合の両方がありますが、保育園は、その性質上、男女比を決めて募集するということが基本的にないため、例えば、男の子7人に女の子が3人、女の子8人に男の子が4人などというように、入ったクラスの男女比に大きな偏りがあることも少なくないでしょう。「同じ性別での仲良し友だちの選択肢が少なくなる? どんな感じ?」と気になるかもしれませんね。
男女関係なく、気が合う子、遊びの趣味が合う子と遊ぶようになっていく

男女関係なく、気が合う子、遊びの趣味が合う子と遊ぶようになっていく

1~3歳ぐらいまでは、お友だちと一緒に遊ぶといっても、みんなで一緒のことをやるよりも、一緒の空間にいて同じような遊びをしていてもそれぞれが自分自身で遊びを展開している「平行遊び」が中心です。また、この年代は、「自分は自分、他人とは違う!」という自我が芽生えて急速に育っていく時期で、まず大切なのは「自分」。その上で、日常のかかわりの中から、男女関係なく自分と相性の良い子、遊びの趣味が合う子と一緒に遊ぶ姿が、少しずつ見られるようになっていきます。

4~5歳にもなると、「おとこ」「おんな」という言葉が日常会話の中で出てくるようになったり、男の子は戦いごっこに興じたり、女の子は「お母さんごっこ」(ままごと遊び)に精を出したりと、遊びの傾向が分かれてくることもあります。それでもまだまだ幼児期は、男女を大きく意識することなく、外遊びなどで一緒に走り回ったりして遊ぶ時期です。男女関わらず、「我が子はどんなタイプの子と相性がよいのかな? 家ではこんなタイプだけれど、園ではどんな子とどんな遊びをしているのかな?」ということを、お子さんの話から探っていくのも楽しみですね。
 

クラス内の月齢の幅は?

低年齢クラスほど、月齢の幅を大きく感じるかもしれません。クラスは4月1日時点での年齢で分けられるので、4月生まれの子だったら、1歳のお誕生日を迎えたのに、もう1年0歳児クラス。1歳児クラスには、早々に2歳になって走り回っている子もいれば、1歳になって間もなかったり数ヵ月しかたっていなかったりして、あんよがまだという子もいるでしょう。しかし、この時期の運動や情緒の発達は、本当に個人差が大きいもの。月齢だけで標準化できない、個々のお子さんの成長の過程があり、刺激し合って育っていく姿を、保護者の方々も日々感じることができると思います。

また、4歳児クラスぐらいになると、異年齢の子に興味を持ち始めます。保育園という家族的な集団の中で、クラスを超えた活動を通し、自分より小さい子、大きい子への関心がどんどん広がっていきます。
 

同じ仲間と何年も過ごすメリット

0歳の頃から入園して同じ園で卒園すれば、最長で6年間、1つのクラスで大きく変わらないメンバーと生活を共にする保育園生活。同じメンバーと濃い時間を家族のように過ごすことには、大きなメリットがあります。

長時間の密な付き合いの中では、様々な衝突も少なくありません。午前より午後の方が疲れが出てきて、感情的な衝突が起こりがちな部分もあります。そのような中で、自分がお友だちにされていやなこと、自分がやらないようにしようと思うことを、少しずつ体感していきます。
幼児期に経験した濃い友人関係は宝物

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また、兄弟がいる子で、兄弟間のけんかでは何となく許されることも、兄弟のように密接に過ごしながらも兄弟ではないお友だちとの間では、許されないことがあることも知っていくきっかけになります。そうした経験は、子どもたちが保育園を巣立った後に築いていく人間関係の、土台にもなっていくでしょう。

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