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【保存版】建築家ピエール・シャローとガラスの家・後(3ページ目)

【石川 尚のWAKUWAKUプレス・レポート】#64 20世紀前半に建築界に革命を起こしたピエール・シャロー(1883~1950)、日本初の回顧展を取材した。正式な建築の勉強はしていないが、デザインの近代化に関与した建築家。保存版の展覧会、全2編でご紹介します。 取材協力:パナソニック 汐留ミュージアム

石川 尚

執筆者:石川 尚

ファニチャーガイド

このデスクのようにシャローがデザインした家具は金物職人ルイ・ダルベとの共同作業によるものが多い。
どの時代においても良き共犯者?がいてなし得る業がある・・・とても羨ましい限りだ。

シャロー18番の「扇型」で折り畳む椅子

さて、その共犯者との椅子とハンガー家具を紹介しよう。

まず、椅子MC763、MC767・・・共に1927年作。
これらは、ボーヴァロンのクラブハウス(ゴルフクラグ)ようにデザインした椅子だ。まずプロトタイプ(基本形)があって、いろんな展開をしていくまさに「近代デザイン」だ。

最初にご紹介するのが、シャロー18番の「扇型」で折り畳む椅子MC763。

折りたたみ椅子MC763の画像undefined●クリックすると拡大します。

折りたたみ椅子MC763の画像 ●クリックすると拡大します。


座面が三連パーツになって、地面に接するフレーム状の脚は背もたれと同じサイズになっている。

折りたたみ椅子MC763の説明図画像undefined●クリックすると拡大します。

折りたたみ椅子MC763の説明図画像 ●クリックすると拡大します。


横から見ると折り畳む時に扇状になる。彼は特許申請をし、「扇構造の折りたたみ椅子」とタイトルをつけた。ホントに「扇」が好きなんだなぁ・・・。

結構無骨だが、その後改良を重ね、座面や背に藤を使用して、ふっくらとした形状の座面でエレガントな椅子に仕上げている。

椅子MC767の画像undefined●クリックすると拡大します。

椅子MC767の画像 ●クリックすると拡大します。


また、アームをつけた三連シートの椅子等素材や形状を工夫し、公共空間のロビー等で使用する椅子まで発展形をデザインしている。

同シリーズ肘掛け椅子の画像undefined●クリックすると拡大します。

同シリーズ肘掛け椅子の画像 ●クリックすると拡大します。

 

ガラスの家の為にデザインしたコート掛け

最後にシャローの最終の創作期の代表作:コート掛け(1932年)。

名実共にシャローの代表作:ガラスの家の為にデザインした作品だ。
ガラスの家は、シャローが家具デザイナーから建築家として歴史に名を刻んだ代表建築。

ガラスの家の画像undefined●クリックすると拡大します。

ガラスの家の画像 ●クリックすると拡大します。


長年の顧客であるダルザス夫妻から信頼を最大現に活かした改築プロジェクトである。
ガラスの家の改装前外観画像undefined●クリックすると拡大します。

ガラスの家の改装前外観画像 ●クリックすると拡大します。


既存の建物とは全く異なる建築として、家具・インテリアデザインが融合して出来ている。1980年代の保存修復活動を経て今なお光り輝く建築として存在している名作建築。是非機会をつくって実物の空間を見てみたい!

ガラスの家の外観画像undefined●クリックすると拡大します。

ガラスの家の外観画像 ●クリックすると拡大します。


会場では、このガラスの家の為にデザインしたコート掛け展示されている。
このコート掛けは、ディテールといい、構成といい、まさにガラスの家の『凝縮版』的存在。
コート掛けの画像undefined●クリックすると拡大します。

コート掛けの画像 ●クリックすると拡大します。

鋼管製のフレームは角を丸め、長方形の形状となっている。フレーム取り付けられた帽子用のフックと棚は黒塗りのフレームとは切り離されジュラルミン製である。



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