世界景気は回復傾向にある!
「いまから株式投資を始めていいものかどうか」。そう悩んでいる人もいるでしょう。戸松さんは長期投資を前提とした場合の見方として、「世界景気は回復傾向にあります。米国や欧州、日本はもちろん中国などの新興国も株価が下がったところは、少しずつ買っていくチャンスです」と説明します。この背景にあるのは、世界最大の経済大国であり、世界の株式市場にも大きな影響力を持つ米国で景気が回復していることです。
「米国の今後の景気動向に大きな影響を与えるだけでなく、世界の経済指標のなかでもっとも重要な経済指標として注目される米国の雇用統計は非常に好調です。雇用統計のなかでももっとも重視される『非農業者部門就業者数』は、2014年3月から6か月連続で前月比20万人越えとなっています。ちなみに、4か月以上連続で20万人以上増加するのは、ITバブル崩壊前の2000年1月以来です」(戸松さん)
また、米国の雇用者総数(農業従事者を除く)は5月で1億3846万人となり、ようやく金融危機前につけた過去最高値を突破しました。
「非農業部門就業者数は、2008年1月以降減少が続き、08年から09年の2年間で約850万人もの雇用が失われました。それを4年半かけて、ようやく回復できたのです。総数ベースでの雇用者数は、今後数年間、過去最高値を更新していくことになりそうです」