美容院でのシャンプー中、吐き気・めまいなど体調不良になる人も
美容院のシャンプーは気持ちがよいもの。リラックスして、ついついうたた寝してしまいそうになることもあると思います。しかしシャンプーをきっかけに具合が悪くなってしまい、途中でシャンプーを中断したり、そのまま帰宅することになる方がいるようです。このようなケースは意外と多く、「美容院脳卒中症候群」とも呼ばれています。「脳卒中」という言葉から恐ろしい病気のように感じてしまいますが、症状の程度には個人差があり、病院で診察を受けるべき人もいれば、体を休めるだけで回復する人もいます。
美容院脳卒中症候群とは…主な症状・考えられる原因
「美容院脳卒中症候群」の主な症状には、以下のようなものがあります。
- 吐き気がする
- ふらふら、ふわふわとめまいがする
- 手足がしびれる
- 冷や汗がでる
- 首や後頭部に痛みを感じる
- ひどいケースでは、嘔吐や強い頭痛
また、これに伴い小さな血栓ができてしまうこともあります。姿勢を元に戻した時に血液が勢いよく流れると、血栓が血管内に押し流されます。この血栓が詰まってしまうことで脳卒中になる可能性が指摘されています。
美容院脳卒中症候群で具合が悪くなってしまったときの対処法
シャンプー中にめまいや吐き気といった症状が出てしまった場合、我慢は禁物。すぐに美容師さんへ伝え、休ませてもらいましょう。休むことで症状が回復するケースも多いようです。もしも症状が変わらない場合や悪化するようなときは、神経内科や脳神経外科を受診しましょう。手足のしびれや手足が動かせない、ろれつがまわらなくなる、激しい頭痛などがある場合は、迅速な受診が必要です。また、シャンプーの最中や直後ではなく、美容院から帰宅後に発症することもあるようですので、体調の変化には注意をしておきましょう。
美容院脳卒中症候群の予防法・対策法
美容院のシャンプーで気持ち悪くなってしまった経験がある人でも、それまではシャンプーをされても全く問題がなかったという方が多いようです。生活習慣やストレスなどの影響で、美容院脳卒中症候群の症状を生じやすい状態になってしまったことが考えられます。予防の基本は、「血流の滞らないような生活を送る」ということです。注意点は多岐に渡るため、すべてを気を付けるというのは難しいですが、できることから心がけてみてはいかがでしょうか?
1. 水分をしっかりと摂る
汗をかいていないように感じたり、喉の渇きも特に無いと思っていても、意外と汗はかいているものです。脱水の状態に近づくと、血液の流れが悪くなる可能性を高めます。喉が渇いていなくても、水分をしっかり摂りましょう。
2. お酒の飲み過ぎに注意する
「お酒はいくらでも飲めるから、水分は足りているはず」と安心していませんか? 実は利尿作用のあるアルコール。お酒を沢山飲んでも、水分が外に出てしまうのです。お酒だけでお腹をいっぱいにせずに、スポーツドリンクなど、ノンアルコールの水分も摂りましょう。
3. リラックスをする時間を設ける
ストレスの多い生活を送っていると、いつのまにか首や背中の筋肉が緊張して、頸椎を始め背骨の柔軟性が低下します。その状態で、シャンプー台に仰向けになると、ネッククッションの当たりが強く感じて、首に痛みを生じることがあります。
4. 運動不足はなるべく解消させる
美容院へ行く前に両肩を上下に動かしたり、肩甲骨を動かしたりと軽く筋肉を緩めておきましょう。日頃から、ウオーキングや水泳などの運動を続けることができると理想的です。「簡単にできる肩こり予防体操」などもぜひ参考になさってください。
首への負担軽減を考えたサービスを行う美容院も
美容院によっても、シャンプー台の種類はさまざまなようです。首の負担軽減を考慮したものを使用している美容院もあるようですので、心配な場合は直接美容院へ問い合わせてみるのも良いかと思います。また、頭を揺らすような洗髪方法で発症することも指摘されていますが、頭を揺らさないようにシャンプーをしてくれる美容院も多くあります。もしシャンプー中に気になることがあれば、積極的に美容師さんに伝えるようにしましょう。■参考
- 美容院脳卒中症候群(ドクターサロン61巻10月号)(PDF)