もったいない、しょうがない、なんとかなる!
できるだけフリースタイルで行き当たりばったりの旅を楽しもう
そうすれば、子どもにもそういうスタンスが伝染します。人生においてなんらかの遠回りをしても、ちょっと道を踏み外しても、「そこから得るものはある。必ず正しい道に戻れる」なんてことが、経験として子どもの心に染みこみます。家族旅行とはまるで違う、はちゃめちゃな父子旅という冒険を終えたとき、「どんなことがあっても大抵はなんとかなるんだな」という安心感が子どもの心にあれば、大成功です。
少ない道具でなんとかしようとするから、「もったいない」という精神が心に刻まれます。失敗や間違いや想定外を受け入れることで、「しょうがない」という気持ちを学びます。旅を終え、「なんとかなるさ」という自信が芽生えます。この3つのメンタリティーの頭文字を取って、「MSN」と、私は呼んでいます。これが「どんな世の中になっても生きていけるための力」の土台になると考えています。
父子旅という冒険は「MSN」を鍛えるのにもってこいなのです。
※「家族旅行でも同じこと、できるんじゃない?」と思う人もいるでしょう。たしかに理論上はそうです。しかし、あんまりトラブルが続くと大抵夫婦喧嘩が始まってしまいます。船頭多くして船山に上るみたいなものです。ですからあえて父子旅行をおすすめしています。その意味ではこの話、母子旅行に応用してもらってもOKです。