男の子育て/遊び・コミュニケーション

「生きる力」を鍛える父子旅のススメ(2ページ目)

父親として、子どもに人生を教えるうえで、旅は格好の教材です。乗る電車を間違えたり、忘れ物をしたりという失敗も大歓迎です。それがそのまま教材となります。道を間違えたときには、イライラするのではなく、「道を間違えたおかげで、こんな風景が楽しめたね」なんて、のんきなことを言っていればいいのです。

執筆者:おおた としまさ

もったいない、しょうがない、なんとかなる!

父子旅

できるだけフリースタイルで行き当たりばったりの旅を楽しもう

ですから、私がおすすめする父子旅では、できるだけ荷物は少なく、スケジュールも大まかにしか決めないということが前提になります。行き先はどこでもいいでしょう。「○○岬の夕日を見る」みたいな目的だけ設定して、あとはできるだけフリースタイルで行き当たりばったりの旅を楽しむのです。乗る電車を間違えたり、忘れ物をしたりという失敗も大歓迎です。それがそのまま教材となります。道を間違えたときには、イライラするのではなく、「道を間違えたおかげで、こんな風景が楽しめたね」なんて、のんきなことを言っていればいいのです。

そうすれば、子どもにもそういうスタンスが伝染します。人生においてなんらかの遠回りをしても、ちょっと道を踏み外しても、「そこから得るものはある。必ず正しい道に戻れる」なんてことが、経験として子どもの心に染みこみます。家族旅行とはまるで違う、はちゃめちゃな父子旅という冒険を終えたとき、「どんなことがあっても大抵はなんとかなるんだな」という安心感が子どもの心にあれば、大成功です。

少ない道具でなんとかしようとするから、「もったいない」という精神が心に刻まれます。失敗や間違いや想定外を受け入れることで、「しょうがない」という気持ちを学びます。旅を終え、「なんとかなるさ」という自信が芽生えます。この3つのメンタリティーの頭文字を取って、「MSN」と、私は呼んでいます。これが「どんな世の中になっても生きていけるための力」の土台になると考えています。

父子旅という冒険は「MSN」を鍛えるのにもってこいなのです。


※「家族旅行でも同じこと、できるんじゃない?」と思う人もいるでしょう。たしかに理論上はそうです。しかし、あんまりトラブルが続くと大抵夫婦喧嘩が始まってしまいます。船頭多くして船山に上るみたいなものです。ですからあえて父子旅行をおすすめしています。その意味ではこの話、母子旅行に応用してもらってもOKです。

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