どこか昭和の香りのするホッとする雰囲気
西武新宿線中井駅から徒歩三分、2013年11月にオープンした「うなぎ串焼くりから」。中野の鰻串焼の店「川二郎」で修行したという店主。店の前についたのは開店前の16:50分頃、風雨が激しくなってきた。まだ暖簾は出ていないが、そっと店の扉を開けると、注文は17:00からですが、雨なので店内でお持ちくださいと店主の嬉しいお言葉。店内はコの字型のカウンターに赤い丸椅子で10席ほどと、奥にはテーブル席もある。17:00の開店時間になると店内の裸電球がつけられ、どこか昭和の香りのするホッとする雰囲気、女性のお一人様でも気軽に入れるお店だ。店名の由来でもある「うなぎ串焼 くりから」とは?
店内の壁にはくりから焼の由来である倶利伽羅龍王の写真がある。倶利伽羅龍王という不動明王の化身である龍が剣に巻き付く姿に似ているということからなのだそうだ。もとは蒲焼をつくる行程でヒレ引きをしたときに出来た端切れ身を串に巻き付けて出したと言われている。現在では鰻の身を細長く切り、串にくるくる巻いて焼いたものをくりから焼、ヒレ引きした部位はヒレ焼として食されている。見た目もきれいなくりから焼だ、まさに串に巻き付いている。プリッとふんわり柔らかな食感とさりげないあっさりタレでいただく。鰻の貴重な部位を隅から隅までいただける
鰻の串焼きが初めてなら、くりから焼、肝焼き、ヒレ焼の鰻串ひと通り(3本)640円がお勧めだ。他のうなぎ串類は1本180円から280円。うなぎのさまざまな部位を活かした串焼きをリーズナブルに楽むことができる。バラ・皮・エリ・レバー・短冊などと鰻は捨てる部位のない魚なのだ。珍しい肝刺しは、湯通ししてある肝をニンニクまたは生姜醤油とネギでいただく。にんにく醤油でお願いした。ふんわりと柔らかな肝にニンニク醤油がよく合う。トロトロのまむし焼
お一人様サイズの小さめの蒲焼・白焼きとのこと。まむし焼黒(蒲焼)をお願いする。関西で「まむし」というと地焼の鰻がご飯の中に入り、程よく蒸されたうな丼のことだ。店主に聞くとまむしとはよく蒸すことなのだそうだ。蒸加減よく、トロトロ過ぎないフワッと肉厚、やや焼強めの香ばしい蒲焼だ。店主お勧めのチューハイの元祖、ホイスがすすむ。店を出るころには、席はほぼ満席。はやくも人気の串焼き店のようだ。まっすぐ焼と向き合うご主人と美人で気さくな女将さんのいる、ほっこりする雰囲気のうなぎ串焼き店なのでございます。■うなぎ串焼くりから
住所:東京都新宿区中落合1-13-5
電話番号:03-6908-1607
営業時間:
[平日]17:00~23:00(L.O.22:30)
[日・祝]17:00~22:00(L.O.21:30)
定休日:水曜日
地図:Yahoo!地図情報
※上記データは2014年取材時点のものです。