独身時代のシェアハウスより、交友関係も広がる

― そのほかに、実際に生活をしてみて、気になることはありませんか?
シェアハウスに暮らす夫婦

「言われるほど、結婚前と後で生活は変わらない」と和基さん


(和基さん)
もちろん、キッチンの使い方とかお風呂の時間とか、すり合せないといけないことはたくさんあります。でも、これって独身時代のシェアハウスでも同じことなんですよね。独身時代は4人でシェアハウスしていたので、5人暮らしになって、その分量が5人分になったというだけで。夫婦+独身で住んでいるからといって、大きな違いはないと感じています。

(奈央美さん)1つ違うと思ったことは、大型共有物の購入ですね。私たちは独身時代も今も、業者が用意した物件ではなく、自分達で普通の一軒家を借りるいわゆる「DIY型」のシェアハウスをしています。

独身時代はテレビや机は誰かが一人暮らしの時のものを持ち寄って使っていました。解散することになっても大丈夫なように、それを新しくしたり買い足すことは、あまりしなかったんです。

それが結婚してからのシェアハウスでは、将来的に夫婦だけで暮らすことになっても使えるため、私達がお金を多めに出して、所有権を持ちつつ良いものを皆で使う、ということも考えられるようになりました。

例えば冷蔵庫やテレビなどは、将来的に夫婦だけで暮らすことになっても使えるため、私達がお金を多めに出して、大きいものを買うというのも可能です。私たちも他のメンバーも、通常より少ない出費で良いものが使えますから、これは大きなメリットですね。

― 結婚してからもシェアハウスをして、よかったことって何でしょうか。


(奈央美さん)
最初にお話したとおり、家賃や設備などの経済的な面は改めて良かったと思っています。一般的な夫婦が2LDKで暮らすのに比べ、3分の2程度の安い家賃で、広いキッチンやリビングがあり、良い立地の都心物件に住めています。私たちは共働きなので、掃除や炊事などの家事を分担できることも有難いです。

(和基さん)独身シェアハウスのとき以上に、交友関係もさらに充実したものになっているとも感じます。我が家には多くの友人達が遊びに来るんですが、新婚夫婦だけで住む家よりオープンで気軽なのか、ご近所さんも遊びに来るように(笑)。町内の祭りにも参加したりと、独身シェアハウスよりも近所づきあいが自然にできている気がしますね。

また、結婚すると、自分のキャリアや二人の将来設計について考える機会も増えます。同世代の友人などはもちろん、世代の異なるご近所さんや学生など、異なる視点や刺激に自然と触れられる環境は「結婚してもシェアハウス」の大きな魅力ですね。

私は海外ドラマ「フルハウス」のような、いつも楽しいことが起こるシェアハウスって素敵だなと思っているんですが、本当に毎日が暖かい笑いに溢れていて、とても豊かな生活が送れていると感じています。

子供が生まれても、シェアハウス?

― 将来、子供が生まれることもあると思います。ずっとシェアハウスに住み続けるのでしょうか?
奈央美さん

「子供が生まれてからの“シェア”もあると思う」と奈央美さん

(奈央美さん)
正直、まだ分かりません。ただ、自分がシェアハウスに住んでみて思ったのは、シェアという生活は、自分が子供を産んで、共働きで子育てをするようになってからも、有効なライフスタイルなんじゃないかということです。例えば2組、3組のカップルでシェアハウスをしたとすると、少しお迎えに行くのが遅くなった時も、一緒に住んでいるシェアメイトが、代わりに迎えに行ってくれたり。逆に、その人が子供を置いて外出したいときは、私が面倒をみたり。そういう助け合いが可能になると思うんです。

もちろん今のような一つ屋根の下で2組、3組もカップルが住めるとはさすがに思っていませんが(笑)、例えばお隣同士に住んでいるカップルが、シェアハウスをするようにお互いに生活や家事を「シェア」しあうというのも一つの形でしょうし、カップルが住める設計のシェアハウスが出てきてもおかしくないと思っています。

お爺ちゃんお婆ちゃんになった時に、あらためて今のメンバーで集まってシェアハウスするっていうのも面白いかもしれません。結婚生活って、どうしても子育てや、2人の世界に収束しそうで、それはちょっと面白くないなと思っていて。その解決策としてシェアというライフスタイルを続けていくことが、色々な可能性が開かれるのではないかと思っています。

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シェアハウスの次のステージにチャレンジする奈央美さん夫妻。子育て、シニアと、新しいシェアの形が開かれる、第一歩になるかもしれません。

しかし、一つ部屋の下に複数の家族が入る暮らしは抵抗がある人も多いのでは。そこで次回は、別の形で「結婚してもシェア」を続けている、ある夫婦にインタビューします。
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