その自然な対応に、乗り手の心と身体が歓ぶ

M・ベンツGLAクラス

一定の車速で急勾配を下ることのできるDSR(ダウンヒル・スピード・レギュレーション)をGLA250に装備。前輪の切れ角や前後左右の傾斜角など、自車の状況を表示してくれるオフロードスクリーンも備えた

試乗したのは180の標準サスペンションと、250スポーツ、そして250オフロードだった。

250オフロードでは、もちろん悪路を試走した。ここ数年来、オフロード走行に関係する制御システムの進化がめざましく、さほど過酷なコースでなければ、もうオフロードのプロフェッショナルドライバーなど要らない!と思うほど。

当然、このGLAの4マチックも、クルマ任せ・機械任せで、がんがんオフ道をこなす。電子制御4WDシステムの働きは、とてもスムース。各種オフィロードデバイスとの連携も申し分ない。競技で使えるか?と問われると未知数だが、“オフも凄い”というイメージをオンに活かすという一般的な使い方(?)なら十二分。カジュアルイメージの強いGLAの場合、むしろ宝の持ち腐れだろう。

だって、世の中のGクラス(ゲレンデ)の、いったい何%がオフロードを走ったことがあるっていうんだ?
M・ベンツGLAクラス

エクステリアはボンネットのパワードームでスポーティさを、アンダーガードやクラッディングパーツでSUVらしさを高めた。Cd値は0.29とセグメントトップレベル

AMGモデルのように派手なルックスの250スポーツ。確かに、ここイッパツの加速性能など、動力パフォーマンス的には180より魅力的な点は多い。乗り味も、4WDスパイスをあまり効かさず、腰の低さを強調したどっしりテイストで、GT的でさえある。お金に余裕があれば、250を選ぶにこしたことはない。

そうは言いつつも、好印象だったのは、FFの180だった。とにかく乗り心地がよく、動きが軽快。視線の高さも相まって、とても運転しやすい。追い越し加速など、ちょっともたつくこともあるけれど、一般的な利用シーンではまったく問題なし。

とりたてて、味わい深いところもない代わりに、フツウさが身体に染み入る感覚で、不思議とワクワクする。ハンドルやペダルなど、ひとつひとつの操作に対するレスポンスが緻密に計算されていて、その自然な対応に、乗り手の心と身体が歓ぶ、といった感じだ。
M・ベンツGLAクラス

アイドリングストップ機構も採用し、GLA250のJC08モード燃費は14km/lとなる。自動緊急ブレーキで追突を回避・軽減させる緊急ブレーキ機能(CPAプラス)などの安全装備も充実させた

運転するということに関していえば、間違いなく、4兄弟のなかでベスト。ネガティブな要素はほとんどないけれども、引っかかるとすれば、スタイリッシュ過ぎるカタチが、流行のSUVスタイルに見えづらい点か。車高が低いという実用上のメリットよりも、車高が高くて威張って大きくみえて高そうという点もまた、残念ながらクロスオーバーSUV人気の根本だったりする。
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可変トルク配分型4WDは、通常前輪にほぼ100%、コーナリング時やオフロードなどで後輪に適宜駆動を配分

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