謙虚さと感謝の気持ちを忘れずに
ゴミ袋を運ぶ行為だけをもってしてゴミ出しというのではありません。ゴミ出しの一連の流れをおさらいしましょう。ゴミの日の朝に、家中のゴミ箱をひっくりかえして、ゴミを集め、不燃物が紛れ込んでいたら分別し、大きなゴミ袋にまとめます。各ゴミ箱にはちょうどいいサイズの新しいゴミ袋をセットします。スーパーのレジ袋を活用している家庭も多いでしょう。ゴミ袋は腐るものではありませんから、スーパーの大安売りのときにまとめて買っておくというのもゴミ出しという家事の一部です。そこまでやってはじめてゴミ出しという一連の家事が成立するのです。それなのに、ゴミ袋を20m移動しただけで、近所の奥様方から「あら、偉いですね。カジメンですね」なんておだてられて、調子に乗って「ゴミ出しはオレの仕事」なんて言っちゃっているとしたらそれは立派なイタメンです。ゴミ出しという家事の全体像が見えていないのです。
ゴミ袋だって、オムツが入っていたりするとそれなりに重いですから、それを運ぶだけだってママは感謝してくれます。しかし、だからといって「やってやっている」という気持ちになってしまうのは間違いです。自分はゴミ出しという家事のいちばんおいしいところだけをやっているのだという自覚を忘れてはいけません。
仕事が忙しくてなかなか育児も家事もできないという男性が多いことは現実問題として理解できます。そんな中でも少しでもやろうという気概があるだけ素晴らしい。しかし、自分がやっているのは、本来の家事のごく一部でしかないという謙虚さを忘れてしまうと、イタメンになってしまうのです。ご注意を!
※この記事は便宜上、自分は仕事が忙しく、専業主婦の妻に家事を任せっきりという男性の状況を想定して書いていることをご了承ください。