ダメ夫を支える立派な妻にも問題がある
お互いに自立して支えあう関係になっていますか?
「共依存」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。自己の存在意義を他人との人間関係に依存することを、共依存症といいます。たとえば、アルコール依存症で暴力を振るうこともある夫と別れずにいる妻。一般的には妻が被害者で夫が加害者だと認識されると思います。ひどい目に会わされているのに我慢して偉い奥さんと思われることもあるかもしれません。しかし実は、ダメな夫がしっかりものの妻を必要としているのと同様に、妻のほうもダメな夫を必要としていると、心理学的には考えられているのです。
ダメな夫を支えていることで、「あの人は私がいないとダメな人」ということを確認し、自分の存在意義を確かめていると考えられるのです。そういう妻がいるからこそ、夫はいつまでもダメ夫のままで居続けることができてしまうのです。
妻がいないと夫は生活していけなくなります。夫の存在は妻に依存しているとえます。同時に、夫がダメ夫でなくなってしまったら、妻は自分の存在意義を見失ってしまうのです。その意味で、妻の存在は夫に依存しているといえるのです。だから無意識のうちに、夫がいつまでもアルコール依存症でいてくれるようにしむけます。「これ以上はダメですよ」といいながら、アルコールを買ってきてしまうというようなことを続けるのです。しかし、特にこの場合の妻の側には、自分自身が夫をアルコール依存症で居続けさせているという自覚がないことがほとんどです。これが共依存関係です。
「人」という字は共依存!?
ちなみに有名なドラマのセリフで「人という字は支え合っている」というのがありますよね。でも、どちらかが倒れたら共倒れになってしまうような関係とは、まさに共依存関係です。あれは、漢字学者からいわせれば完全に間違いだそうです。「人」という字は、1人の人間が立っているのを横から見た姿だそうです。人間は自立したうえで、支え合えなければなりません。夫婦関係もそうありたいものです。