足関節骨折(そくかんせつこっせつ)とは
足に荷重して固定した状態で、ねじるなどの力が加わると足関節の骨折が生じます。骨折する骨は脛骨(けいこつ)、腓骨(ひこつ)もしくはその両方です。この骨折を足関節骨折(そくかんせつこっせつ)と呼びます。足関節にある脛骨遠位端(けいこつえんいたん)と腓骨遠位端(ひこつえんいたん)が骨折します。
足関節骨折が多い年齢・性差
運動、事故などに伴い発生する骨折ですので、あらゆる年齢層に発生します。一般の人にも発生しますし、スポーツ選手などでもみられます。男性に多い骨折ですが、女性にも発生します。足関節骨折の症状
骨折部位の腫脹、疼痛、膝関節の可動域の低下などがみられます。下腿の形が変形することもあります。骨折した部位に加重ができませんので歩行が難しくなります。足関節骨折の診断
■単純X線単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明を受けられるので、整形外科では必ず施行します。
足関節正面X線像。脛骨遠位端と腓骨遠位端に骨折を認めます。
■CT
単純X線で診断が難しい場合でもCTであれば診断可能です。
足関節単純CT像。脛骨骨折の診断が容易です。
CTではコンピューターの計算で骨の3次元画像を得られ、立体をわかりやすく把握できます。
足関節3DCT像。骨折を立体的に把握できます。
足関節骨折の治療法
【保存的治療】転位の少ない足関節骨折の治療では、保存療法といってギプス固定などで治癒することが可能です。2週間は歩行での荷重はできないので松葉杖を使用します。その後約2ヶ月間ヒール付きのギプスで足関節を固定する治療を行います。
■鎮痛薬
ボルタレン、ロキソニンなど非ステロイド消炎鎮痛薬(NSAIDと省略されます)を用います。
- ボルタレン……1錠15.3円で1日3回食後に服用。副作用は胃部不快感、浮腫、発疹、ショック、消化管潰瘍、再生不良性貧血、皮膚粘膜 眼症候群、急性 腎不全、ネフローゼ、重症喘息発作(アスピリン喘息)、間質性肺炎、うっ血性心不全、心筋梗塞、無菌性髄膜炎、肝障害、ライ症候群など重症な脳障害、横紋 筋融解症、脳血管障害胃炎。
- ロキソニン……1錠22.3円で1日3回食後に服用。副作用はボルタレンと同様です。
【手術】
転位の大きい骨折、靭帯損傷を合併した骨折などでは手術を選択します。
金属製のネジと板で骨折を固定しました。
上記の図では、手術で金属のネジと板で骨片の固定を行っています。
■抜釘術
術後に骨折が治癒した後に固定具を除去します。抜釘術(ばっていじゅつ)と呼ばれます。