宮崎県の学校
国立 宮崎大学 医学部看護学科(宮崎市)公立 宮崎県立看護大学 看護学部(宮崎市)
国公立2校のみでいずれも保健師課程は選択制を採用しています。
宮崎県の健康問題であげられるのは自殺者の割合が多いことです。都道府県別の10万人あたりの自殺者数を見ても、長い間ワーストの上位に入っています。その原因の第1位が健康問題で、次に経済・生活問題、家庭問題などが続いています。(2011年度データ)また、健康問題の内訳をみると、うつ病が半数近くを占めていることから、精神保健の分野での対策が必要とされています。
また、宮崎県は畜産県としても有名ですが、かつて口蹄疫問題で大変な打撃を受けています。このときも、以前の記事で紹介しているように、保健師の役割は多岐にわたりました。
熊本県の学校
国立 熊本大学 医学部保健学科(熊本市)私立 熊本保健科学大学 保健科学部看護学科(熊本市)
私立 九州看護福祉大学 看護福祉学部看護学科(玉名市)
国立1校、私立2校の計3校で、いずれも学科定員は多いものの、保健師課程に進むことができるのは20人が目安です。
熊本県の健康課題といえば人口透析患者数が多いことです。これは現代の医療問題を語る上で重大なことで、人口透析患者ひとりにかかる医療費は500万円ともいわれていることからわかるように、多くの患者を抱える保険者(健保や市町村国保)の負担は莫大なものになってしまいます。
ただし、人工透析はそこにいたる課程のなかで予防できるものも多いことから、CKD(慢性腎臓病)への対策など、保健師が関わることも多い事柄のひとつです。
定員の数字は学科定員→保健師コースに進める人数(目安)です
鹿児島県の学校
国立 鹿児島大学 医学部保健学科(鹿児島市)私立 鹿児島純心女子大学 看護栄養学部看護学科(薩摩川内市)
以前は表組みにあるように、鹿児島医療技術専門学校で保健師課程もありましたが、来年度から同校は看護師教育のみになるとのことで、これから受験できる学校で保健師教育を行っているのは上記の2校になります。
鹿児島県の医療・保健問題を語るうえで忘れてはならないのは、離島や僻地の問題です。本土の面積もそれなりに広いものの、種子島や屋久島、奄美諸島など広い範囲に島が連なっています。こうした地域では、満足な医療体制は望めませんから、大病をすれば故郷を出て大都市の病院に入院せざるを得ないケースもでてきます。
少しでも故郷で長く過ごしたいと願う人たちの希望をかなえるためにも、保健師は予防活動に力を入れることが必要ですし、実際、鹿児島大学はそれを強く意識した教育を取り入れています。
なお、県の職員として鹿児島で働く場合、離島・僻地の勤務があることも覚えておくべきです。さらに、桜島の噴煙なども独自の問題もありますので、しっかり地域に根付いた活動をすることが求められます。
沖縄県の学校
国立 琉球大学 医学部保健学科(那覇市)公立 沖縄県立看護大学 看護学部看護学科(那覇市)
公立 名桜大学 人間健康学部看護学科(名護市)
沖縄県には3つの国公立大学があり、名桜大学は人数制限のある選択制を採用しているものの、県立看護大学では従来通りの統合教育。琉球大学も選択制ながら人数制限を設けていないため、保健師を目指しやすい県といえるかもしれません。
ただ、これには沖縄ならではの医療・保健問題もあり、やはり離島や僻地の多さから、看護だけの知識では地域の活動にしっかり対応できないとの事情があるといわれています。実際、島(村)にひとりだけの保健師という体制も珍しくなく、なり手も少なく、数年で人が入れ替わってしまうこともよくあります。
定員の数字は学科定員→保健師コースに進める人数(目安)です