ベランダに小さな地球の生態系を創る
ベランダ,ビオトープは最小単位の自然界です。この窓辺の小さな自然が、街の街路樹や公園、道端の雑草、川の土手、田んぼ、山や海とが次々とリンクし、生き物が自然の状態で生息する場所としてネットワークされます。個人レベルで始められる自然保護活動の一つともいえますね。ベランダ・ビオトープでは、飛翔力のある野鳥やトンボ、蝶や蜂類などがやって来たり、植物の種子などが風に乗って飛来します。あなたのベランダがビオトープネットワークの中継地点になったり、繁殖や越冬などに適した環境が作られていけば小さな生き物たちのホームグランドにもなるんですね。
一般的なベランダ・ビオトープの作り方
STEP1/ 池の敷地となる、コンクリートパレットを用意する。工事現場でコンクリートをこねる時に使うあれです。これを薄めの塩水で消毒し、流水で洗い、日なたで乾かします。STEP2/プランターと植木鉢、その底に敷く小石を同じように消毒・洗浄して、パレットに配置する。プランターは水はけが良くなるように穴を開けておきます。
STEP3/一日以上、日なたに置いてカルキを抜いた水道水をパレットに入れます。
STEP4/水の浄化作用があるアシやホテイアオイを入れる。そしてメダカやオタマジャクシを泳がせます。エサになるプランクトンは自然発生します。これでもう、小さな地球の誕生です!
蝶や野鳥が喜ぶ環境づくり
ベランダは乾湿・気温の高低差が大きく、強い風の影響も加わります。ビオトープの外縁には手すりの高さ程度の生垣を設置して、強風を和らげることで環境を安定させることが重要です。木の種類はカラタチやサンショウ等の蝶が餌として好むもの(食樹と言います)や、ガマズミやグミ等の野鳥が喜ぶ果実を付けるものを選びましょう。
ベランダ・ビオトープづくりの要チェックポイント
・ベランダでビオトープを作る時に最も注意したいのは「積載荷重」。 ベランダには積載できる荷重に限りがあり、これを無視して作ってしまうと大変危険ですので注意が必要です。・当然、防水は不可欠。ビオトープ設置後に雨漏りがした場合再度の防水工事は困難です。必ず現状の防水チェックから始めましょう。
・植物の根っこは強い。コンクリート床や防水シートの傷ついた部分等、わずかな隙間でも入り込んでいくため、水漏れが発生する恐れがあります。丈夫な防根シートを敷いて防ぎましょう。
さぁ、今すぐホームセンターに行くべし。移住後の、このウン十倍のスケールの実現を夢見て!
次回は、イネトープ編。都会のベランダで、稲刈りにチャレンジしましょう!