毎月の家計の見直しなくして、老後資金準備はできない
さて、ここまでの理屈に納得はしたものの、「毎月の給料から貯めたところでどうにもならないだろう」という人もいることでしょう。しかし、私たちが毎月稼いでいるお金というのは実は大きな財産です。仮に年収400万円のままでも38年働けば(22歳入社60歳まで勤続)、総額で1億5千万円にもなる収入を稼ぎ出しているのです。実は私たちが体を資本にして稼ぐ金額は思っているより大きいものなのです。
一般に大卒男子の生涯賃金は3億円程度といわれています(退職金も含む)。しかし、私たちが3億円貯めた、という話はほとんどありません。なぜなら、稼いだほとんど全てを使い切ってしまうからです。
例えば、2%でも残しておくことができれば、600万円の原資になります。ここに運用益が加われば、1000万円の老後資金準備もあながち不可能ではありません。それはほんの数%でいいのです。別にお給料の30%とか50%を残しておく必要はないのです。
しかし2%を残しておくだけでも、意識を高めておく必要があります。具体的には、98%の収入で暮らす、というやりくりが欠かせません。100稼いで100使うのではなく、使うお金は98にとどめておく工夫が意識として必要なわけです。
これは要するに「やりくり」であり「節約」です。私たちが、毎月の収入を全部使い切らず、少し残しておくことを考え、実行することは、老後のためにお金を貯めるためにも重要な取り組みの一部なのです(もちろん、住宅購入資金や子の学費準備をするためにも節約は欠かせません)。
それでは、「老後のための節約」についてもう少し具体的なプランを考えてみましょう。
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