床材・フローリング/床材の基礎知識・選び方

フローリングの好みは塗装でも変わる!(2ページ目)

フローリングの色合いや歩行感、触感などは表面に塗られている材料によって大きく変わります。自分の感性に合う塗装はどのようなものか、感覚を掴んでいただけるように詳しく解説いたします。

原田 正史

執筆者:原田 正史

思いやりの家づくりガイド

保護処理としての塗装

フローリングの保護塗装は一般的にオイル塗装、ウレタン塗装が多く利用されています。また用途に合わせて、保護塗装していない白木のまま使う場合と、購入者側で塗装を塗る場合があります。

  • オイル塗装
オイルを木材の表面から内部に浸透させたもので、木の肌触りがしっとりと感じられます。木目もはっきりと浮かび上がるので、木材本来の味が楽しめます。また樹種によっては白太と赤身、板目・柾目・杢目など木の表情をあえて浮かび上がらせた製品もあります。メンテナンスとしては製品や使用頻度にもよりますが、1回/1年~5年ごとにオイル塗装を行うと良いでしょう。

  • ワックス塗装
オイルを浸透させる保護塗装と違い、どちらかといえば表面にとどまる保護塗装です。オイル塗装がしっとりするのに比べてワックスはさらっとした感じになります。種類としては蜜蝋や植物性の蝋があります。ワックスもメンテナンスとして1回/1年~5年ごとにワックス塗装を行うと良いでしょう。

  • 柿渋
天然自然素材の柿渋も人気があり、シックハウス対策としても多く利用されています。ただ柿渋を塗った商品は少なく、どちらかと言うと無塗装のフローリングを購入し、柿渋を購入者側で塗ると言ったことが一般的です。また柿渋は防腐防虫効果があるので昔から建具や家具、柱・梁などに利用されてきています。メンテナンスは1回/1年で再塗装できるといいですね、そして乾いた布で磨きこむような感じで拭き取ります。

  • ウレタン塗装
ウレタン塗装は木の表面を硬い膜で覆ってしまうコーティング系の塗装で、水をはじく性質によってキッチンや洗面室・トイレなどで使われるケースが多いです。ウレタン樹脂は乾くと非常に硬くなるので、木材の表面をコーティングしたウレタン塗装はキズにも強く、ペットを飼っているお部屋でも人気のある商品です。メンテナンスは基本的にフリーですが、使用頻度・使用状況によっては表面のウレタンがはがれてくることがあります。その場合のメンテナンスは、古いウレタン塗装をすべて剥がし落として、その上に再度ウレタン塗装を塗る必要があります。

塗装の違いによる水の吸い込み比較

一般的に水回りの部屋は、水分をはじくウレタン塗装のフローリングが良いとされています。ただ最近では、オイル塗装もある程度水をはじいたり、ウレタンと同じぐらいの機能性を持つ製品も出てきています。ここではどの程度水の吸い込み度合いが違うか、赤ワインを垂らして時間と共に経過を見て行きましょう。

■ウレタン塗装の場合
ウレタン塗装undefined浸透実験

ウレタン塗装 垂らして10秒

ウレタン塗装undefined5分経過

ウレタン塗装 5分経過

ウレタン塗装

ウレタン塗装 30分経過

拭き取り

ウレタン塗装 30分後拭き取り


■オイル塗装の場合
オイル塗装

オイル塗装 垂らして10秒

オイル塗装

オイル塗装 5分経過

オイル塗装

オイル塗装 10分経過

オイル塗装オイル塗装 30分経過

オイル塗装

オイル塗装 30分後拭き取り

オイル塗装undefined水拭き

オイル塗装 シミ部分水拭き


■無塗装の場合
無塗装

無塗装 垂らして10秒

無塗装

無塗装 1分経過

無塗装

無塗装 5分経過

無塗装

無塗装 10分経過

無塗装

無塗装 10分後 シミ部分水拭き


ウレタン塗装は全く染み込んでいないように見えます。オイル塗装もほとんど染み込まない感じですが、軽く拭き取った時は表面にわずか浸透している跡が見受けられました。ただ、濡れたタオルで拭き取るとほとんどわからない状態となります。それに比べてやはり無塗装の場合は浸透の速度も早く、10分経過した段階でワインの量も少なくなっているのがわかります。濡れタオルで拭き取りをしても跡が付いています。

次のページに主なフローリングメーカーのサイトをご紹介いたします。

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