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初心者にオススメ!投資信託の選び方

投資信託は優れた金融商品なのに、正しい使い方を知らないで失望する人が多いのです。投資信託選びで失敗しないために、だれにでもできる正しい選び方をご案内します。問題は、むしろ最初よりも保有中のメンテナンスにあります。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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学ばずに投資すれば必ず失敗します

投資信託は優れた投資商品ですが、その使い方や選び方が悪いために、「投資信託にだまされた」的な中傷を受けてしまいがちです。私の今までの経験からいえば、専門家の助言を得ずして、投資信託を正しく使える人はほとんどいませんでした。

簡単なのに、なかなかできていない投資信託の正しい使い方を、今日は「選び方」という観点からご案内します。

まず、投資対象の分散を決める

ほとんどの初心者は銘柄選びから入ってしまいます。すると、その時期に成績のよいカテゴリー(たとえば、日本株とか海外リートとか)の中からだけ、似たような投資信託を複数選んでしまいます。似たような投資信託ばかり持っているので、マーケットの風向きが変わると、いっせいに成績が落ち込みます。そして「分散しても無意味だった」という愚痴をこぼすことになってしまいます。

それは、投資信託が悪いのではなく、選ぶアプローチが正しくないからなのです。銘柄選びは、最後の最後でいいのです。

まずは、投資対象を特定して、その分散の構造を決めます。たとえば、今なら「株の時代」です。世界中の株式市場に分散すると考えれば、日本株、米国株、欧州株、アジア株、新興国株の5つが代表的な投資対象です(アセットクラスともいいます)。

これをコアとして、追加に加えられるの(サテライト)は、次のような投資対象(アセットクラス)です。先進国債券、新興国債券、コモディティ、リートなど。どれを選ぶかは、自分の考えによります。特段の考えがなければ、コアだけでかまいません。

投資金額を割り振る

投資対象の分散の構造が決まったら、それを金額的にどう分けるかという分散の数量化をします。

たとえば、毎月5万円のつみたて投資を考えているのであれば、先述の5つのアセットクラスに1万円(20%)ずつを割り当てます。これからはアメリカが良くなるはずと強く予測するのであれば、米国株に2万円、日本株、欧州株、アジア株に1万円ずつという戦術的な割り当ても有りです。つみたてでなくて、一括購入する場合でも、同様です。

長期パフォーマンスが良いファンドを選ぶ

投資対象と投資金額の割り当てが決まったら、最後に銘柄を選びます。私がおススメする方法は、長期のリターンが良いものを選ぶことです。

モーニングスターのサイトで、「ファンドランキング>リターン>分類(投資対象の特定)>期間10年間」の順序で条件指定をすると、上位のファンドが出てきます。この上位の中から、証券会社の取り扱いがあるか、純資産額は適当に大きいか、期間による順位変動が大きくないか、コストが高すぎないかなどをチェックして、最適な投資信託を選び出します。

このときにおちいりがちなのが、短期のリターンだけに注目してしまう、運用会社の知名度で選んでしまう、純資産額が大きすぎるものを選んでしまうなどの選び方です。

・短期のリターンは当てにならない
長期で良い成績が出せないのに短期で上位に来るのは、リスクの大きい銘柄である場合があるので、注意が必要です。最低でも3年以上の運用成績をチェックしてください。

・運用会社の知名度は当てにならない
運用を海外の投資顧問業者に委託しているため、運用会社名は単なる外形的なラベルである場合もあります。知名度ではなく中身を見る目が必要です。

・巨大ファンドは過去の遺物かもしれない
過去に良い成績をあげて資金が集まっている投資信託でも、すでにその盛りを過ぎている銘柄もあります。巨大なものより、純資産額が伸びているかが人気を示すバロメーターです。

保有期間中も順位チェックを毎月続ける

以上の手順を踏めば、初めての人でも最初に買う投資信託の銘柄選びは可能です。ただ、問題は、投資信託の品質は常に変化するので、運用経過を追い続ける必要があります。できれば毎月の(長くても毎年の)チェック作業が必要です。

その過程で、リターンの順位が急落してきた、純資産額が激減してきた、運用方針や運用責任者の異動があったなどの事態には、銘柄変更の必要性が考えられます。

こうした作業を続けることが煩わしいという人には、金融機関や専門家に提案をさせる外部依存型の投資信託選びもあることをお伝えしておきます。インターネットで、「投資信託 お任せ 代行」などで検索すると、いろいろなパートナーがヒットしますので、ご参考にしてください。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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