防災/災害の種類と対策

集中豪雨の被害が発生する危険な場所の見分け方

梅雨のシーズンも終わりの時期を迎えると、日本列島は「台風」の襲来に備える必要があります。ゲリラ豪雨とは積乱雲の発達によって起きる局地的な降雨現象ですが、「台風」の影響はさらに広範囲に広がり、河川の氾濫、大規模な土砂災害などを発生させます。今回は過去の被害例を元に「危険な地域」を事前に判断し、被害を未然に防ぐ方法を考えましょう。

和田 隆昌

執筆者:和田 隆昌

防災ガイド

降雨による洪水、土石流の発生

typhoon

台風は世界的に巨大化する傾向がある。

2013年10月16日、台風26号の影響によって、大島を襲った集中豪雨は24時間雨量は824mmという前代未聞の量に達し、「山津波」とも言われる大規模な土砂災害が発生、40余名もの死者・行方不明者を出してしまいました。

超大型の台風が接近していたにも関わらず、「特別警報」が発令されず、住民の避難行動が遅れたとも言われています。自治体による警報はひとつの基準になりますが、もしも危機が迫っていると感じたならば、早めの自主避難をすることが自らの命を守ることになります。

2014年7月4日に発生した台風8号は日本を縦断するコースをとり、各地に大きな被害を発生させましたが、長野県南木曽町では土石流が発生、家屋が流され死者も発生する事態となりました。この場所は「蛇抜け(じゃぬけ)」と呼ばれる土石流の多発地帯。傾斜が急で地盤が弱く、大雨が降ると土石流が発生する場所でした。

大島などでも大雨による土石流は以前にも発生していましたが、今回のような降雨はまさに「これまで経験したことのないような大雨」であり、今回(2014年)の台風8号においてこのような表現が初めて使われることになり、台風に「特別警報」が発令される初の事態となったわけです。

危険な場所は事前に把握を!

気象予報技術の精度が上がったため、降雨による災害は、事前にかなりの確立で予測できるようになりました。自分の生活圏にそのような危険な場所が存在するかを判断するために、地元の自治体で「洪水ハザードマップ」「土砂災害警戒区域マップ」などを入手しておきましょう。

これは一部の山間部だけの話ではなく、河川の流域(中小河川も含む)であったり、付近に急傾斜地域や造成地などがあった場合にもリスクが存在します。埋立地などの低地や、起伏のある地形の谷底にあたる部分などに住んでいる場合など、自分の住む地域の高低差を立体的に把握することが、災害時の避難経路を決める際にはとても重要なことです。

世界的な気候変動の影響によって、台風は大型化し、降雨被害、土石流の発生などは拡大方向にあると言われています。自分の住む街の災害リスクを十分に把握し、自治体の出す避難指示を参考にしつつ、災害発生時には早めに自主的な避難行動をするようにしましょう。



降雨被害に遭いやすい場所とは?

自分の住む地域の災害リスクは自治体のHP、または下記から確認してみてください。

政府広報オンライン 地域の防災・減災情報
http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/bousai/

【目安】
1.過去に土石流などの被害があった場所
2.河川の流域
3.急傾斜地、造成地
4.埋立地などの低地
5.起伏のある地形の谷底


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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