カビ・ダニの発生
高温多湿の日本に昔から生息していたカビやダニ。特に梅雨期や冬季に発生するカビやダニはアレルゲンとなって、子どもから大人まで喘息やアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎等の健康被害を与えています。大量の住宅供給と経済成長の一環として登場してきたアルミサッシや合板は、正しい施工指導がされないまま使われてきました。さらに断熱材も大工さん任せで気密と換気の関係が疎かにされてきた結果、結露ができてしてしまいそこからカビが発生し、カビをエサにダニが繁殖してきたのです。
住宅内で特にカビが発生しやすい場所は浴室などの水まわり、北側の壁や押入など湿度が高くなりがちな場所です。
畳に発生したカビ。湿気の高い状態が続くとカビにとってはいい条件です。
■カビの発生条件は主に3つ
カビの発生条件は、温度・湿度・空気(酸素)が整うことです。
カビの発生しやすい温度域は20℃~30℃、特に25℃~30℃前後で活発になると言われます。また、湿度が92~95%でクロカビ、ススカビが発生します。
問題はいかに湿度を下げるかです。
カビ・ダニの対策
カビ・ダニの発生を抑えるためにどのように対処すればいいのでしょうか?対策として次の5項目があります。
1.通風を良くする
2.換気を良くする
3.室内を暖める
4.壁体の透湿を良くする
5.調湿建材の利用
通風・換気により汚れた空気を排出し、新鮮な空気を取り入れることはもちろんですが、暖房により室内を暖めて湿度が高くならないようにすること、壁体の透湿を良くして湿気を外部に逃がすことも重要です。
また、調湿建材(調湿力のある建材)の利用も効果的です。近年は例えばエコカラットという商品なども出回っています。木材・けいそう土なども調湿建材です。
※調湿力 … 建材自らが湿気を吸収・放出し、快適な湿度を保つ力