JR東海が儲かっている理由は……
なぜ、JR東海の運輸業はそんなに儲かるのでしょう?JR東海の近隣人口と、営業キロ数はともにJR東日本の約4分の1です。人も少なければ、電車も少ない。それならば、在来線が儲かるはずありません。
でも、よく考えてみると、JR東海には非常に儲かる路線がありますよね?
東海道新幹線です。
東海道新幹線は東京から新大阪までの区間を走る新幹線です。東京駅、新横浜駅などはJR東日本の営業範囲。京都駅、新大阪駅などはJR西日本の営業範囲です。しかし、東海道新幹線の東京-新大阪間はJR東海の管轄なのです。
東海道新幹線はみなさんご存知のように、日本の三大都市圏である関東、関西、東海を通る高速鉄道です。それだけでも、儲かっていることが予想できます。
JR東海の2013年ファクトシートによると、東海道新幹線は一日に336本運行しています。そのうち、最も需要がある東京-新大阪間は250本運行しています。一方で、ライバルとなる東京-大阪間の飛行機運航本数は、JALとANAで一日約100本です。JR東海は1社で飛行機運行本数の約2.5倍の250本を運行しているのです。
さらに座席数も異なります。新幹線の座席数は1本当たり1323席です。一方で、飛行機は最も大きいボーイング777-300で約500席です。2倍以上の差があります。
その結果、東京-大阪間の移動における新幹線のマーケットシェア(対航空)は約85%となっています。東京-大阪間の移動の85%は新幹線ということです。そんな独占的なシェアを持つ新幹線が儲からないわけありません!
このように、JR東海は日本経済を支える主要交通機関である東海道新幹線を保有しているため、JR3社の中で最も儲かっています。
現在、リニアモーターカーの建設も進んでいます。リニアモーターカーができれば、東京-大阪間が約1時間となり、飛行機に対するシェアはさらに大きくなるでしょう。JR東海は日本経済が順調に成長すれば、さらに利益が増えるのかもしれませんね。