散歩/グルメ・行列・銭湯の散歩ルート

老舗の中華料理店「大勝軒」の源流を辿る散歩(3ページ目)

「大勝軒」といえば、みなさんはどんなお店を想像するだろうか。三越前にある大勝軒は昭和8年創業で、まさに「草分け」と呼べる老舗中華料理店だ。今回はその源流を辿る散歩に、北尾トロとともに出かけてみた。

増田 剛己

執筆者:増田 剛己

散歩ガイド

珈琲大勝軒でおいしいブレンドコーヒーを

ところで、この大勝軒はもともとは人形町にあった大勝軒の暖簾分けなのだそうだ。通称「人形町大勝軒」と呼ばれているそのお店はなんと明治45年(大正元年)の創業で、さらに驚くべきことに本店がまだ現存しているのだそうだ。ただし、今は中華料理店ではなく、喫茶店になっているのだとか。

これは人形町まで歩いてみるしかない。「落語『百川』の舞台を歩く」と同じようなコースだ。

かつての中華料理屋は喫茶店になっていた

「珈琲 大勝軒」東京都中央区日本橋人形町2-22-4

人形町駅からほど近い場所に「珈琲大勝軒」はあった。ここで、ホットコーヒー400円をいただくことに。コーヒーを待つ間、壁にかけられた2枚の古写真に見入った。

いま見てもモダンなかんじの建物だ

人形町にあった大勝軒。撮影は昭和3年だそうだ。

昭和3年に、中華料理屋だった頃の人形町大勝軒を写したもの。いまの「珈琲大勝軒」よりも表通りにあったんだそう。そしてもう一枚は、浅草にあった大勝軒。

ヱビスビールの看板もいいかんじ

浅草にあった大勝軒 撮影は昭和8年だそうだ

右から左に書かれている「ヱビスビール」という看板がなんとも郷愁をかきたてる。やってきた珈琲はとてもおいしかった。

美味しいコーヒーをいただく

ブレンドコーヒー 400円

北尾トロの専門である「町中華」についての話をあれこれしていると女将さんがいらっしゃったので、少し話を聞く。「大勝軒というとこちらがもともとだったんでしょうか」と聞けば、「そうですね、暖簾分けしたところや、そこからまた分かれたところもあれば、まったく知らないお店もあるんですよ」とのこと。「いま、僕たちは三越前の大勝軒で食べてきたんですけど」と言うと、「ありがとうございます。あそこは、ウチで働いていた者がたしか、昭和8年にお店を出して、今の方が3代目ですね」だとか。なんだか、いい話が聞けた。

今回のルートはこちら

【関連サイト】
大勝軒とは (タイショウケンとは) [単語記事] - ニコニコ大百科
珈琲大勝軒@人形町 「人形町大勝軒の歴史」 - ニコ、酒場で戯言
喜劇らーめん食べ歩き/人形町大勝軒
大勝軒 - 三越前/中華料理 [食べログ]

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