SIMロック解除
2014年6月30日、「総務省は30日、携帯電話会社が他社の通信サービスを利用できないように端末に制限をかける「SIMロック」の解除を義務づける方針を正式に示した。NTTドコモなど大手3社による寡占を解消する狙いで、2015年度の実施を目指す。利用者は格安スマートフォン(スマホ)会社などに乗り換えやすくなる。料金の引き下げにつながる可能性もある」との記事が日本経済新聞に掲載されています。今回は、この「SIMロック解除」という風によって儲かりそうな桶屋銘柄3銘柄と、その投資戦略をご紹介しましょう。
「SIMロック解除」とは?
SIMロックとは、携帯電話会社が自社以外の通信サービスを使えないように端末に制限をかけることです。スマホや携帯電話は、電話番号など利用者情報を書き込んだSIMカードを入れ替えれば、どの端末でも使える仕組みになっています。しかし、携帯各社が、顧客が他社に乗り換えないようにロックをかけて他社カードに反応しないようしています。現状日本では、NTTドコモが「iPhone(アイフォーン)」以外の端末で解除に応じていますが、ソフトバンクは4機種にとどまり、KDDIは応じていません。欧米や韓国などほとんどの先進国は解除しています。
今回、このSIMロックの解除を義務づける方針となりました。これにより、「現状のNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社の寡占の大手通信会社から、低価格のMVNOへの乗り換えが進みそうです。その場合、割安な中古端末の需要も増大しそうです。
MVNOとは「 Mobile Virtual Network Operator (仮想移動体通信事業者)」の略称で、携帯電話などの無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供している事業者のことです。
関連銘柄の株価動向・投資戦略
昨年のイオンでの格安スマホの販売のニュース以後、関連銘柄の株価は堅調な値動きでした。また今回の「SIMロック解除」のニュースで更に急騰し、既に高値圏での推移となっているので、このまま右肩上がりの上昇は期待し難いですが、折に触れて物色の対象となりそうです。株式投資の中・上級者は、高値での飛び乗り・飛び降りも面白いと思いますが、機敏な判断が難しい投資家は、一旦落ち着くのを待って、25日移動平均線をメドにした押し目買いをするのが良さそうです。その際は、読みが外れて逆に、終値ベースで25日移動平均線を明確に割り込んだ場合、一旦損切りするのが良いでしょう。
「SIMロック解除」関連銘柄の1つの上昇相場が終わったとしても、実際に「SIMロック解除」になるまでは、何かの報道をきっかけにまた上昇相場が始まる可能性のある大きな相場材料です。基本的には、株価が25日移動平均線を上回り、右肩上がりの「上昇相場」を継続する時のみ参加するようにしましょう。
恐らく「SIMロック解除」前の「理想買い」の状態のほうが、「SIMロック解除」後の「現実買い」よりも、株価水準は高いと思います。「高値掴み」にくれぐれもご注意ください。
日本通信<9424>(東証JQスタンダード)
■会社概要・注目ポイントMVNOの大手企業。NTTドコモから回線を借りて、大手スーパーイオンと組んで提供した「格安スマホ」が大ヒット。「SIMロック解除」関連の中心的な銘柄。
■株式データ
株価961円
単元株数 100株
予想PER(連)100.1倍
実績PBR(連) 38.29倍
予想配当利回り 無配
時価総額 約1,301億円
インターネットイニシアティブ<3774>(東証1部)
■会社概要・注目ポイントNTTが筆頭株主のネット接続の草分け企業。法人向けが主体でシステム構築、セキュリティソフトなども提供しています。
MVNOとしても、家電量販店ビックカメラと組んで「格安スマホ」を提供しています。
■株式データ
株価 2543円
単元株数 100株
予想PER(連)26.38
実績PBR(連) 1.95倍
予想配当利回り 0.87%
時価総額 約1,162億円
フリービット<3843>(東証マザーズ)
■会社概要・注目ポイントインターネット接続業者向けにSmart Infra提供事業を行っています。個人向けに、「SIMカード」「格安スマホ」も提供しています。
■株式データ
株価1867円
単元株数 100株
予想PER(連)63.5
実績PBR(連) 6.04倍
予想配当利回り 0.37%
時価総額 約369億円
*株式データは、2014年7月1日終値データ
*本サイトで紹介する意見や予測は、筆者個人のものであり、所属する証券会社の意見や予測を表わすものではありません。また、紹介する個別銘柄の売買を勧誘・推奨するものではありません。投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。
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