FCVが魅力的な価格で登場!

FCV

FCV

トヨタは燃料電池自動車『FCV』を2015年の春に発売することを公表した。驚くのが予定価格。何と700万円前後を考えているという! 当然のことながら補助金も出るだろうから、フル装備のクラウンの100万円高程度だし、ベンツEクラスやレクサスGSとほぼ同じ価格になる。

トヨタ自身、先日まで燃料電池車は1000万円くらいをメドに開発しているといっていたのに、突如魅力的な価格を出してきたのだった。低コスト化に成功したのかもしれないし、長い目で燃料電池車市場を作っていきたいというトヨタの「本気度」の現れと評価することも出来ます。

いずれにしろ新しい技術好きって意外にいます。ガイドですら700万円という価格を聞いた途端、悪い虫が目を覚ましそうになったほど。トヨタによれば生産立ち上がりは極めて少ない生産規模になるというから、当面はバックオーダーを抱えることになりそうだ。間違いなく売れると考える。

性能は十分だと思う。ハイブリッド車である『SAI』のボディに今回発表された燃料電池ユニットを搭載した先行試作車に試乗した経験を持つため、何となく予想出来ます。追い越し加速など絶対的な動力性能は必要にして十分! 基本的には電気自動車のような走りをイメージして頂きたく。

電気自動車と違うのはカタログスペックだと700kmに達する航続距離と(実用走行可能距離で500km程度)、燃料として使う水素の充填に3分しかかからないという点。ガソリンを入れるイメージで水素を充填出来るのだった。水素スタンドの近所で使うのなら全く問題なし。

今後の課題は水素をどう効率よく作っていくか

Q電丸

世界最高性能の急速充電車『Q電丸』

当面の課題は水素スタンドの数だろうけれど、燃料電池車が増えれば半分くらいの量まで充填出来る移動式の水素供給車も出てくると思う。難易度の高い電気自動車用の急速充電車(写真はQ電丸という世界最高性能の急速充電車)を考えれば、簡易式の水素充填車の方がずっと簡単に作れる。

もちろん「水素という燃料をどうやって作るか?」に代表される課題は少なくない。ちなみに経産省の役人がFCVの発表会に出てきて「水の電気分解からも水素を作れる」といっていたけれど、電気分解には大量の電気を使う。そんな水素の作り方をするなら、そのまま電気で走らせる電気自動車の方がいい。

効率の良い水素の作り方と、効率良く水素を圧縮する方法(スクーバダイビングのタンクの4倍近い700気圧まで水素を圧縮するためのエネルギー量は膨大)を考えない限り、総合エネルギー効率という点で燃料電池は厳しい。我が国の政府は水素燃料を重要な次世代エネルギーとしているが、残念なことに「効率」という概念を持っておらず。

いずれにいしろエネルギー戦略は国家単位で考えること。自動車メーカーとしちゃ「リーズナブルな価格で魅力的な燃料電池車を作る」というのが役割分担だ。という観点からすれば、今回発表されたFCVは申し分ない。市販車に試乗するのが今から楽しみになってきました。

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