メディアで話題の「行き過ぎ」な親達
自分よりも子供、子供よりも自分、ママはどちらが幸せ?
ヘリコプターペアレントとは、ヘリコプターのごとく、子どもを常に近くで観察し続ける過干渉な親。タイガーマムとは超スパルタ教育をするママを指します。
子供に全てを注ぐそのスタイルが「行き過ぎ」との批判を受けていますが、それでは子供中心になってしまうこと自体がよくないものなのでしょうか?
最近のアメリカでのリサーチが、この答えを示してくれています。早速、見ていきましょう。
アメリカのリサーチで分かった子育てスタイルと親の幸福度の関係
アメリカの大学が、322人の親を対象に、子育てスタイルが親の幸福度に与える影響についてリサーチを行いました。それぞれの親に、
- 育児スタイルについて(どの程度子供中心のライフスタイルか)
- 自分自身の幸福度について
- 子供の存在が自分の人生に与える意義について
- リサーチ前日の行動を振り返り、その1つ1つをどう感じて過ごしたかについて
すると、「子供中心のライフスタイルを送っている」と答えた親ほど、
- 自分が幸福であると答え、子供のいる人生を有意義だと感じている
- ポジティブな感情が多く、ネガティブな感情が少ない
- 子供を育てるという経験に、より多くの意味を見出している
- 子供の世話をしている時間以外も、その幸福度は下がることなく継続する
つまり、自分よりも子供の幸せを優先して考える親は、結果的に、親自身の幸福度も高め、かつ、育児への責任に自らの人生の意義を見出している傾向が高かったのです。
大切なのは育児を純粋に楽しむこと
最近は、子供中心になり過ぎないことを推奨する見方もあります。そんな中で見出された今回の結果、どう思われますか?先に出したヘリコプターペアレントなども、ある意味、子供中心ではありますが、そこには大きな違いがあります。ヘリコプターペアレントは、たしかに「子供、子供!」と日々を送っていますが、そこにあるのは「支配」。親は子供達を自分の管理下に置くことで満足感を得ています。
一方、この研究で見出された関係性は、子供の世話をしたり、一緒に遊んだりという純粋な喜びが、親の幸福度や充実感アップへとつながっているという点で、大きく異なります。
つまり、同じ「子供中心」であっても、この二者は、
- 子供を1人の人間として尊重してるか?
- 子育てを純粋に楽しんでいるか?
子供を1人の人間として尊重しつつ、子育てを純粋に楽しむ。ひと言で言えば、「無償の愛」ですね。この研究レポートのタイトル「Parents reap what they sow.」は、「親は自分でまいたものを自ら収穫する」の意。
『愛をまけば、愛を収穫する』
ママが子供に送る愛情は、自分への幸福感となって返ってくるのですね。
「この子と一緒で嬉しいな」と感じながら日々を過ごす。このシンプルな習慣こそが、ママを幸せへと導いてくれる大切なカギなのですね。
*出典:Social Psychological and Personality Science (2013)「Parents Reap What They Sow: Child-Centrism and Parental Well-Being」より