2位争いはコートジボワールとの一騎打ちに
奇跡を起こすしかない日本代表。グループステージ突破の2位に浮上するには、条件がふたつある。
日本がグループステージ突破の2位に浮上するには、条件がふたつある。
ひとつ目は、コートジボワール対ギリシャ戦が引き分け以下の結果に終わることだ。引き分けならコートジボワールは勝点4で、日本がコロンビアを下せば勝点で並ぶことができる。
その場合は、得失点差の争いとなる。ここまで得失点差がプラスマイナス「0」のコートジボワールは、引き分けなら「0」のままだ。一方の日本は2試合を終えてマイナス「1」なので、コロンビアに2点差以上をつけて勝てばコートジボワールを上回ることができる。
日本とギリシャが揃って勝った場合、勝点4で並ぶ。ただ、ギリシャは得失点差がマイナス「3」なので、コートジボワールに大勝しなければ日本を上回るのは難しい。いずれにしても日本の命運はコートジボワールの結果次第と考えていいだろう。
コロンビアはグループ最強の敵
コロンビアは強敵だ。チームの得点源にしてキャプテンのラダメル・ファルカオ(28歳)をケガで欠いているものの、攻撃のタレントは強力だ。パスセンスに溢れるハメス・ロドリゲス(22歳)が司令塔となり、ドリブラーのファン・クアドラード(26歳)とビクトル・イバルボ(23歳)が相手守備陣を切り裂く。ファルカオに代わるストライカーは、テイフィオ・ロドリゲス(29歳)の出場が濃厚だ。38歳のマリオ・ジュペスを中心としたディフェンスは、南米らしい激しさと強さを兼備する。どちらのものでもないボールを奪い合う“球際の攻防”は、非常に高い確率でマイボールにすることができている。
グループステージの2試合を見るかぎり、コロンビアに明らかな弱みは見当たらない。「すでにグループステージ突破を決めているので、日本選では主力メンバーを落とすかもしれない」という噂もあるが、その可能性はまずないだろう。コロンビアが負けてコートジボワールが勝った場合、両チームは勝点6で並ぶ。主力をごっそり外して日本戦に臨むとは考えられない。
過去2試合の戦いは、ある意味で分かりやすかった。相手の特徴は強烈で、結果的に抑えきることはできなかったが、想定の範囲をこえるものではなかった。
コロンビアもキーマンははっきりしているが、彼らは試合運びが巧みだ。試合の流れやスコアに応じて、自由自在にペースを変えてくる。南米の国ならではの持ち味だ。日本の選手たちは「自分たちのサッカーをしたい」と口を揃えるが、コロンビアは相手のリズムを乱すのがうまい。2点差以上の勝利が絶対条件となるコロンビア戦は、グループステージ3試合でもっとも難しい一戦となるだろう。
日本らしさを出し切れ!
厳しいゲームとなるのは、日本の選手たちも覚悟している。本田圭佑(28歳)は言う。「(グループステージ突破の)可能性はあるので、いまは奇跡を信じてコロンビアに勝つことだけに集中している。いまこそ基礎に戻るというか、自分自身を信じて、仲間を信じる」
大久保嘉人(32歳)はすっきりとした表情を浮かべる。条件がはっきりしているだけに、やるべきことは明確だからだ。
「2点差以上つけて勝たなきゃいけないと、みんな腹をくくっている。それによって、チームはより一層まとまっている。もうひとつのカードの結果よりも、自分たちのことを考えなきゃいけないから、とにかくコロンビア戦に集中していく」
コロンビア封じのタスクを担う守備陣も、自分たちの戦いに照準を合わせる。センターバックの吉田麻也(24歳)は語る。
「相手の色々な選択肢に備えるのが守備では大切ですが、それよりも自分たちのサッカーにフォーカスしたほうがいい。アグレッシブにいきつつ、守備はリスクマネジメントをしっかりしたい」
ここにきて相手に合わせたサッカーをしたり、いつもとは違う戦いをしたところで、結果が出るはずはない。アルベルト・ザッケローニ監督のもとで4年間にわたって培ってきたサッカーを、いかに出し切ることができるか。輝きを失っている「自分たちのサッカー」を発揮した先にしか、勝利は見えてこない。